異世界侵攻録 ルガール・バーンシュタイン4

 一同「………」

あまりの衝撃に、皆言葉が出ない状態である。今まで手を抜いていたというのは本当のようだ。

 ルガール「ハッ、これで少しは静かになったようだ。どうかね、少し手のうちの一つを見せてみたものの、これで驚いてしまっては詰まらん。」

何故であろうか、彼の周りから目に見えないオーラが見えてくるのだ。

 銀時【おいおいおい、これってやばくねぇか。あのオッサン、ほんとにただの武器商人じゃねぇってのかよぉ!】

 アレン【こ、これは。強すぎる。ルガール、あの男は一体?】

ルガールは、そのまま瓦礫を弾き飛ばし、一歩、また一歩と歩みを近づいてくる。

 元就「ああ、あの目は本気だね。…ここは私の矢手甲【手に装着可能の小型和製クロスボウ】で牽制するしかない。」

元就は高速で矢を射出し、ルガールに対して牽制をする。しかし、ルガールが手を振り上げる動作をすると、すべての矢が吹き飛ばされてしまった。

 元就「あはは、そう簡単にはいかないね。」

 エド「どうやら、そうみてぇだな。やべぇぞ、予定じゃここで司馬一族のみんなからの連絡があって、どっちか片方が助けに来るんじゃなかったのかよ。」

 ここにきて計画が狂い始めるのではないかと元就は焦り始めた。そう考えていたちょうどその時、まさに救い船となる司馬昭からの連絡が入ったのだ。

 司馬昭「よう!そちらさん調子はどうだ?」

と、呑気な口調で話す彼の口調に対し、一同は。

一同「早く助けに来い!」と、知らない人にまで叱責されてしまった。

 司馬昭「ああ~、なんだかごめんなさい。なんとなく状況は今の怒号で分かりました。後10秒くらいで到着するから待っててください。」

 一応、時間通りに連絡を入れたものの、風雲急をつげたようだということをすぐさま察した司馬一族の次男坊は、急いで駆けつけ、現場に到着した。

 司馬昭「はぁ~、間に合ったのかどうかはからねぇけど。…元就さんの予定していた以上に恐ろしい状況になってんなこりゃあ。」

息を切らしながら現場に到着した司馬昭。そんな彼の目の前に立ちはだかるルガールを見た感想は、勝てる気がまったくしないというものだ。彼を含めて、こちらは9人なのに対し、相手は100人同時にかかっても勝てる気がしないのだ。