異世界侵攻録 ルガール・バーンシュタイン5

 エド「お、約束通り10秒で来たな!!…まぁもうちょっと早く来て欲しかったけど。そっちはどうだった?戦艦はどんな感じだった?」

 司馬昭「それがね~、無かったのよ、戦艦が。どうやら、敵さんこちらの動きをしっかり見てたみたいだぜ。俺たちにばれないようとっとと引き上げちまったみてぇだ。まったく、敵さんにもそーとー優秀な軍師さんがいらっしゃるっつうわけだ。」

 その報告をきき、その場にいる全員がため息を漏らす。結局、すべてが無駄骨に終わってしまったということだからだ。

 

 元就「そうか。仕方ない、一応、予測の範囲内さ。あの戦艦を調べることが出来さえすれば、何か手がかりをつかむことが出来ると考えたんだけどね。…って話してる場合じゃないか!」

 目の前をみると、ルガールが今にも飛びかからんとしている。顔は血に飢えた獣のような表情をうかべ、血祭りに上げようと全身から殺気を出している。

 神田「どうやらそうらしいな。…さて、あんたらを見る限り、一応戦力にはなりそうだ。とりあえず、あの野郎をぶっ倒さねぇといけねぇようだからな。」

 リナリー「どうやらそのようね。でも、一体どこから攻撃したらいいのかしら?それに、何?この感じ。」

 銀時「ああ、こいつは今まで感じたことがねぇ恐ろしいものを持ってやがる。」

そう、彼らが感じるものはただ一つ。それは圧倒的な絶望感である。いままでこんなものには出会ったことがあるだろうか?それは、年若いエルリック兄弟や、最年長の元就でさえ感じたことがない、どす黒いものであった。

 

 ルガール「…おや、攻めてこないのかね?そうか、それなら仕方ない。それならば…」

それは、一瞬であった。気づいたときには、爆音と共にルガールの右片手がアルフォンスの胴体をつかみ、そのまま地面を滑るように超高速で移動したかと思ったら束の間、そのまま壁まで押しやられていたのだ。

 ルガール「どうかね、私の技の一つ、【ギガンティックプレッシャー】を受けた感想は?】

こうして、ルガールによる虐殺の交響曲〔シンフォニー〕が、前奏を伴い幕を上げたのであった。