異世界侵攻録 ルガール・バーンシュタイン6

 銀時【おいおいおいおいおい、今何がおこったんだよおおぉぉぉ!なんか今、ものっそいスピードでおっさんが飛んでったよ!!】

これが、ルガールが隠し持っていた技の一つ、【ギガンティックプレッシャー】である。地面を滑るように移動しながら相手の体をつかみ、そのまま壁に叩きつけ、自身の体に流れるエネルギーを相手に押し付ける技。しかし、これでもまだ技の一つを出しただけというのは驚愕の事実だ。

 エド「アル!!あの野郎!よくも!」

エドワードは怒りに任せて、錬金術で直接攻撃する体制をとる。しかし、一手早くルガールが先ほどの衝撃波を発射する。

 ルガール「おっと、危ない。弟君だけに構ってはいられないな。」

この驚異的な反射神経こそ、彼が最強たらしめるという所だろうか。瞬時に彼の第二の技、裏社会で暗躍していた帝王と呼ばれる人物の技を昇華した【カイザーウェイブ】をだすところは、まさに適切であっただろう。

 エドワードは、何とか直撃を避けようと急いで巨大な壁を練成しようとする。一応のところ、直撃を避けることはできたが、攻撃を受けてしまい、後方に吹き飛ばされた。

 元就「エドワード君!!くっ、あんな人間、本当に存在するのか?このままだとまずい。形成が明らかに不利になってきた。ああ、司馬懿殿の言う通り、あまり相手を刺激しない方がよかったかもしれない。」

ここで再び時間を巻き戻す。エルリック兄弟と銀時が教会に突入する少し前まで。

 エド「さてと、ここから忍び込めばいいってことだな。…しかし、これだけの大穴が開くほどだ、よほどでけぇ砲弾だったんだろうな。」

 元就「そうだね。でも、穴が開いたぐらいですんだのは、おそらく、火薬をその砲弾に積めず、単純に鉄の球体を打ち込んだだけということになるんじゃないかな?」

そう、元就の言う通り、砲弾の中には火薬を詰め込み、それが地面に衝突したときに爆発四散することで敵に損害を与えるのである。すなわち、爆弾のようなものだ。しかし、そういった形跡が一切ないことから、おそらく、砲弾をただ飛ばしただけだろうと推測したのだ。…だが、元就公が生きていた時代には、ただ砲弾を飛ばすだけだったのだが。