異世界侵攻録 呂布奉先の軍師 1

その頃、といってもよいのかは分からないが、呂布と戦闘中の【死神たち】は、心理的衝撃を受けていた。 

 日番谷「おい、嘘だろ…?」

 狛村「いや、残念ながら事実だ。…戦術的敗北を喫するとは。完全にしてやられたというわけか。」

彼らは、敗北して始めて完全に敵の術中にはまっていたことに気づいたのだ。

 呂布「…さて、陳宮のほうはうまくいったようだな。…まぁ、俺の武勇も振るうことが出来たことには素直に感謝するほかないだろうな。それに、情報によると玲姫もよくやってくれたようだ。」

それは、まさに悲劇だった。陳宮の策に完全に乗せられた護廷十三隊は、負けを喫することになったのだ。

この戦いが始まる前まで時は遡る。うちはマダラという男が、呂布軍の前に現れ、自分たちの作戦のためにわが軍に加わってほしいという所から全ては始まった。マダラの話を聞いた呂布軍軍師陳宮は、彼らの作戦に乗ることとした。

 陳宮「ふむ、これはわれらが軍を数多の世界に知らしめる良き機会!しかも、あの男が率いる軍勢もなかなかの豪の者がいらっしゃる!これは参加すべきではないでしょうか呂布殿!」

 彼の言葉に、君主【呂布】は二つ返事で快諾した。

ここからは、軍師陳宮の仕事である。彼はまず、この世界について徹底的に調べあげた。兵力、地理、人口、文化、…あげればきりがないものだった。

 陳宮「…ふむ、中々面白い場所ですな。これは、これは実に攻め辛い。ん~これは困りましたな。」

それもそうだろう。彼らが攻め取ろうとしている【ソウル・ソサイエティ】を正面から正攻法で攻め取るのは、ほぼ不可能である。多くの警備隊に兵で囲まれた中心街。しかも、この兵数差では、逃げ帰るか戦わないことが一番。…ですが、ここで何とかするのが軍師というわけですぞ!といわんがばかりの勢いで彼は熱心に仕事を始めた。

 陳宮「ふ~む。しかし、どうするものか?勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む。まずは、勝利する体制づくりをしないとは分かっているものの、これほどの相手を手玉に取るのは難しいですな。…ここは、人に致して人に致されず。相手をこちらの作戦に乗せるとしましょう。」

 こうして、彼は作戦決行ぎりぎりまで策を練った。では、どのように呂布軍が勝利をもぎ取ったのか、次のページから説明しよう。