異世界侵攻録 呂布奉先の軍師 9

 サーレーについては、陳宮も期待していた。彼の能力【クラフトワーク】は、応用力の高いものであるからだ。それに、ジョゼが使役する幽霊の兵士をうまく利用すれば、この戦の勝ちはもらったようなもの。後は、自らの主君がしっかり足止めをしてくれれば、目的はほぼ達成できるはずだからだ。

 陳宮「まぁ、そういいなさるな、総大将殿。確かに、ジョゼ殿は敗者になってしまいました。しかし、しかしですぞ!この戦いで武功を上げることさえできれば、私は自軍に組みこみたいと考えているのです。」

と、そう口では言ってみたものの、正直この男が本当に強いとは思っていなかった。だが、戦力にならないよりはいいだろう。恐らく、あの女科学者がこの軍師陳宮を使えるか使えないかを試そうとしているため、使えないこの男をよこした。それも十分に考えられる話だ。とにかく、今は自分の言葉を間に受けているこの男と、スタンド使いの実力を信じて前に進むのみだった。

 陳宮【とりあえず、ここまでは順調ですな。玲姫殿もなかなかの相手を見つけたようですし、最近運動不足だったのもよくなるでしょう。あとは、確実に、確実に敵を倒すこと!その前に…】

陳宮は、支持を出す前に、他方面で暴れているルガールの動向を伺うこととした。

 陳宮【しかし、未来も技術とは素晴らしいですな。離れている所からでもこうやって連絡できるのはかなり大きい!さて、ルガールどのはしっかり目的を果たしたのでしょうか?】

只々、彼は目の前のモニターを注視し、ルガールがどう応じてどう動くか、しばらく観察することとした。