異世界侵攻録 R&D 3

 エドワード「くそっ、出られなくなっちまった。このままじゃやべぇ。」

追い込まれる一行を尻目に、余裕の笑みを浮かべる隻眼の男。この瞬間、ルガールはこの時点で勝ちを確信する。

 ルガール「さて、追いかけっこもこの辺で終わらせようではないか。私は用事があるのでさっさと終わらせたいのだよ!」

一歩一歩近づくルガール。それに対し、成すすべなしの一同。窮鼠とかした者たちは、目の前にいる虎におびえるのみである。

 アレン「このままでは、なすすべがありません。出口も塞がれてしまって万事休す。どうすれば…」

アレンも窮鼠の一人だ。このままでは、逃れられぬ死を受け入れざるを得ない状況だ。そんな彼に対し、小声で誰かが話しかけてくる。一瞬彼は聞き間違えたかと思ったが、もう一度耳に神経を集中すると、間違い無い。この声はアルフォンスだ。

 アルフォンス「アレンさん。アレンさん。聞こえているなら、しゃべらずに右手の中指を少し動かしてください。」

言われたとおり、アレンは右手の中指を動かした。アルフォンスはそれを確認すると、アレンに聞こえるギリギリの小声で何かを伝えたようだ。その間にも、ルガールはさらに近づいている。

そんな中、エドワードは突如ルガールに話しかけ始める。なぁ、あんた。こんな文言でルガールを引き留める。

 ルガール「ん?どうした小僧。突然話しかえるとは。いい加減この期になって降参する気にでもなったのかね?」

ルガールは両手を広げるようなポーズを取り、剽軽なポーズをとる。完全にこちらを追い詰めたといわんばかりの顔をしている。

 

 エドワード「一体何でこんなことをする?一体この場所になにがあるというんだ?」

 ルガール「何がある?ふっ、そうだな。確かに、只何も目的がないのにここまで派手なことをするわけがないと考えたか。しかし、どうしてだ?そのことをお前たちに話してもどうなるわけでもあるまい?」

だが、エドワードは力強く「それは俺たちが決めることだ!」と反論した。 

 エド「俺たちはまだ諦めちゃいねぇ!兎に角、てめぇの言葉を聞いてから判断してやらあ!」

 ルガール「ふっ、そうか。」とルガールは鼻で笑う。