異世界侵攻録 R&D 6
アレン「そう。あなたは今、【女科学者】がどうのこうのっておっしゃいましたね?その女性と、一体あなたとで何のかかわりがあるのですか?」
アレンも、ルガールに負けないくらいの強いまなざしで見つめ返す。そのおかげか、ルガールは両手を下ろし、今まで貯めていたエネルギーの固まりは消滅する。
ルガール「…ほう。いいところに気がついたな小僧。…いいだろう、冥途の土産に教えてやってもよいか。一応我々にも指揮官がいるのだ。ただ単に好き勝手暴れているわけではないのだよ、諸君。一人は、仮面を付けた男だが、名は確か【マダラ】とかいったか?むしろ、私がよく会っているのが【ゼーナ・アレンティーノ】という謎の科学者だ。これまた一体何者かは私にも知らんのだよ。…おっと、何故そのような輩の言うことを聞いているのか不思議がっているような顔をしているな。まぁ、君たちの思う通りだろうが、それなりに理由はある。」
元就「理由?そこまでの話では、一体何の得もないように思えるんだけど?」
ルガール「それがだな、あるのだよ。それは実にシンプルなものだ。【強い】のだよ。あの二人は信じうるに足る絶対的な強さを持っているのだ。特に、あのゼーナとかいう女、あろうことか、私の【ジェノサイドカッター】をあっさり破りおったのだからな!実に不愉快だが、それがあの者たちに協力してやるだけの価値がある。それにだ。」
アレン「それに?」
少々引っかかる言い方をするルガールに、アレンは質問を叩きつける。
アレン「一体その女性に関してほかに何か?」
ルガール「私にとって都合のいいことがあってな。そのエネルギーは、私の肉体を強化するのに実に持ってこいというものであることが分かってな!…まぁ、普通の人間なら摂取するだけで気が触れてしまうほどのものだが、この私には関係がない。寧ろ、制御できるのだ。」
ルガールは、大仰に身振り手振りをする。余程自分に酔っているのだろう。