異世界侵攻録 R&D 7

 アレン【言いきっちゃったよ、この人。…でも、このまま意識をそらす事さえできれば。】

アレンは、そのままルガールに対して対話を続けるよう努力する。そうすることで、アルフォンスが秘密裏にアレンに対して出した作戦が成功するか、掛かっているからだ。

 アレン「ですが、結局なかったんですよね、この場所に。」

 ルガール「そう!残念ながらその通りだ!結局何も無かった。あったのは雑魚どもだけだ。詰まらん!実に詰まらん。…遊びはここまでだ!ここまで話したのだ。文句なく貴様らを処分してやろう。」

 

だが、この瞬間、アレンの引き留め策が功を制した。

 葉「ここだ。間違いなさそうだね~。じゃあ、ここを壊しますか。」

アルフォンスの策は当たった。時間稼ぎに成功した一行の前に、司馬兄弟と葉が無事到着した。それだけではない。彼らについてきたもう一人の援軍もこの場に現れた。その人物とは、司馬兄弟の実の父親である。

 司馬懿「うむ。そうするとしよう。最近運動不足でいかんからな。」

 司馬昭「そんなことを言って、無理なさらないでくださいよ父上。」

 司馬師「昭の言う通りです父上。最近また腰の状態がよくないようですので。ここは、若い力に任せて貰えますか?」

司馬懿は、二人の言葉に首を縦に振った。司馬兄弟たちは自慢の得物で、葉は阿弥陀丸を自身に憑依させて瓦礫を攻撃し、壁をこじ開けることに成功した。

 ルガール「何!貴様たち。…そうか、完全にはぐらかされてしまったというわけか!」

だが、たらればを言ったとしても、すでに手遅れといったところだろう。ルガールの目の前で、一瞬にして脱出を開始したのだ。

 司馬懿「フハハハハハハ!久しぶりにうまくいったわ!最近うまくいかんことが続いていて少々イラついていたからな。こうもうまくいくと笑いが止まらぬな。フハハ、フハハハハハハハハハハハハ!」

 仕事ができなくても毎日高笑いしているじゃないですか、と司馬懿の次男は心の中で思ったが、あえて何も言わないことにした。