異世界侵攻録 R&D 8

 ともかく、ここから逃げおおせることが出来ただけでも出来た彼らは、時空移動機と呼ばれる一種のタイムマシンがあるところまで急ぐ。幸いにも、ルガールからは逃れられたようだ。

この光景を一部始終見ていた、別方面作戦に参加していた陳宮は、この結果にひそかに満足していた。しかし、横にいるマダラにはその顔をさすがに見せられないため、心の中だけに笑みを浮かべることとした。

 陳宮「さてさて、ルガール殿は作戦に失敗してしまったようですな。あれではただ破壊しただけではないですか。」

陳宮は、先ほどの水計が上手くいき、ご満悦といったところである。寧ろ、うまくいきすぎて怖いくらいだった。夜襲というのもかなり効果的だったようで、13番隊の下級隊士たちは自分たちの技を使うまでもなくいきなり来た洪水になすすべもなく流されるのみであった。しかも、道が狭いために、大量の水が集中。そのため、一気に流れが加速したというのもあった。

 陳宮「いやはや、ここまでうまくいくとは…」

 マダラ「まぁ、さすがにやりすぎとも言えるな。一番驚いているのはこの俺だ。どうだ、鬼鮫もなかなかやるだろう。イタチもうまいこと敵をかく乱しているようだ。しかしだ、ルガールは残念だったようだ。さてさて、これからどうするか。」

敵陣から上がるは、無数の白旗。各地の拠点からは、降伏する者たちが後を絶たない。それに、朗報も入ってきた。斥候から、異世界から流れ着いた【ライフストリーム】が見つかったという報告が上がったのだ。それと、呂将軍が、隊長格の二人を下したという報告も入ってきた。

 陳宮「そうですな。これらの報告から、我々の作戦は見事、見事完遂したといってもいいでしょう。ルガール殿は置いておき、勝利宣言とライフストリームを素早く回収致しましょう。」

 マダラ「ああ、そうするとしよう。それは俺に任せておけ。お前は堂々と呂将軍を迎えるといい。」

 陳宮「かしこまりましたぞ!ではでは、私めも呂布殿を迎えに行くといたしましょう。お待ち下され呂布殿、今この私めが参りますぞ!」

勇んで出立する陳宮。だが、その彼に牙向く者が密かにいることに気が付かなかった。