異世界侵攻録 幕間 2-2
ランサー「それよりも、敵さんなんだかサーバントクラス並のやつがゴロゴロいねぇか?」
サーバントという言葉が彼の口からさり気なく出てくる。この中で、この単語を知っているのはごくわずかしかいない。
ヴァレンタイン「サーヴァント?なんだそれは。それに、気になることがあるのだが、君は一体何者なのか教えてもらえないだろうか?この時代に来てからあまり時間が経っていないもので知らないことが多くてな。」
その言葉に反応するものが一人いた。別の車に乗っていた犬夜叉である。
犬夜叉「そういえば、俺もよく知らねぇんだ。俺もなんだかよく分からねぇうちに、気が付いたら全然知らないところにいてよ。んで、仕事したら元の時代に戻してやるってことでそこの山本にお願いされた~て感じだ。って、これじゃ説明になってねぇか。とりあえずよ、なんだかよく分かんねぇから、俺にも今の状況が分るように説明してくれ。」
言われてみれば、彼はよくわかってないのに簡単に引き受けてくれたなと改めて感じている。恐らく、彼自身は早く元の国に帰ることが出来ればよいと思っている【というよりは信じている】からだろう。一応、彼は別の国に迷い込んでいるぐらいにしか思っていないということを読者諸君には告げておこう。
山本「ああ、そうだった。鬼太郎君や辻谷君、そして式さんは今の状況を把握しているけど、ヴァレンタインさんや犬夜叉はよく理解していないなんだっていうことを留意しておくべきだった。」
ランサー「そうだな。あと、潮ととらも忘れたら駄目だぜ!」
彼の言葉と共に食いつくのは、その二人である。勢いのある声が、無線を通じて三台ある車に響きわたる。
潮「そーだそーだ。俺も途中参加組だからよくわっかんねえことが多いんだ!」
とら「そーだそーだ。2000年生きてきた中で初めて過ぎて、わしにもよく分からんことが有り余っとるんじゃ!」
どうやら、血気盛んな二人にとって、今回の事件は癪に障るものらしい。かなりいきり立っている。
そんな中、何故か懐かしそうな表情を浮かべている者が二人いた。アタランテと李書文である。