異世界侵攻録 幕間 2-2
アタランテ「ああ、懐かしいな…というのは少し言い方がおかしいような気がしなくともないが、間違い無く聞き覚えのある言葉だ。」
書文「同じく、おれもだ。俺も、時空石とやらの力で25世紀に蘇ってからも何故か覚えていた。本来、覚えていないはずなのだがな。」
何やら懐かしんでいるような様子である二人をよそに、サーバントという単語を知らない面々は一体何のことなのか余計に分からなくなっていた。
ガッツ「なぁ、さっきから気になるんだが、サーバントってのは何だ。お前たちとなんか関係あんのか?」
このまま話を進めても、ちんぷんかんぷんになるだけだろう。そう考えたアタランテは、サーバントとは何かを説明したほうが早いと判断した。
アタランテ「おっと、すまなかったな。サーバントについてしっかり説明しなくてはならんか。極力長くならんようにするから少し聞いてはもらえぬだろうか?」
各車両に乗っている一同は、サーバントとは何かについて、知っているものもいれば、知らないものもいる。しかし、そんなことは関係はない。知らぬものは、じっくりと聞き入り、知っているものも【この中では少数派】、おさらいを兼ねてやはり聞き入っていた。
―サーバントとは、魔術師が使役する使い魔の一つである。しかも、ただの使い魔ではない。何故なら、彼らはかつて歴史に名をはせた【英雄】と呼ばれた者たちだからだ。彼らは時代を問わず、あらゆる時代、あらゆる場所から呼び出される。まずこれが一つである。
又、サーバントは、【聖杯戦争】と呼ばれる儀式に召喚される。聖杯戦争とは、魔術によって作り出された万能の願望器【聖杯】を手に入れるための生贄に使われたのだ。儀式の内容は、世界中の魔術師から七人が、各一体のサーバントを召喚し、決められた場所でバトルロワイヤルを行うというものである。
潮「ふ~ん。そんなことが行われてたのか。で、その場所ってどこなんだ?」
アタランテ「場所か?そうだな、基本は日本のフユキ【冬木】という地方都市だ。」
とら「ほー、日本でか…ん?日本?え、ニホン?」
書文「そうだ、お前たちの母国【日本】だ。」
日本出身のメンバーは、今の一言で驚愕する。そんなことが日本で行われていたとは知る由もないので、そのようなリアクションになるのも無理はない。