異世界侵攻録 幕間 2-4

 とら「ほおー。わしが封印されとった間に色々あったんだな。しかし、世界中の英雄を復活させることが出来る時代になったとは、なんだか奇妙な話だ。」

とらはそんなことをつぶやきながら、興味深げにうなずく。だが、何故だろうか。何やら自分に向かって視線が突き刺さるような気がするのは何故だろうか?自分以外でこの車に乗っているのは潮と李書文、そしてアタランテだけだ。恐らく、この視線というのは、この車に付属されているモニターが原因だろう。時空省が用意した4台の車には、各々の様子が、各車両についているカメラを通して見ることが出来るのだ。これがなかなか面白いもので、人間以外にも、古代ギリシャの神々もいれば、妖怪も乗っている。傍から見れば、一体何の集まりかわからないだろう。

 とら「おいおいおいおいおい。そんなにわしをじろじろ見なくていいだろ?そんなに珍しいか、わしが?」 

 一同「珍しい!」

即答である。生まれた時代や場所はは違えど、何故か意見が一致した。

 とら「なんだ?そんなに珍しいのか?この世界には、儂みたいなのがいっぱいいるんじゃあないのか」

 ヴァレンタイン「知らん。少なくとも、48年間生きてきた中で、妖怪というものを信じたことは無かった。勿論、見たこともなかった!」

 とら「そうかい!わしからしたら、お前さんの【すたんど】のほうがよっぽど珍しいわい。」

その言葉に、何故かランサーが反応した。

 

 ランサー「ん、確かにそうだな。俺の生まれた時代には少なくともそんな超能力は存在していなかったことは間違い無いな。つうか、同じスタンド使いじゃねぇとその【スタンド】とやらを見ることが出来ないんだったな。そりゃ目視は不可能か。」

 ヴァレンタイン「残念だがその通りだ。だが、後天的にスタンド使いになれることもあるッ。私もそうだが、君もいつかそうなる可能性はあるぞ。」

ランサーは、そうかいと、別にならなくてもいいやといわんばかりの態度で返事をした。この魔槍【ゲイボルグ】さえあれば、そんなものは必要ないと考えているようだ。