異世界侵攻録 幕間 2-6

 式「半分?どういう意味だ?」

 山本「文字通りだ。半分は、自分が時空省からもらったデータから。もう半分は、宇和島という僕の部下から聞いた話さ。前者が呂布軍の、後者が黒の教団だ。どうやら、元就公はあのまま無事に時空省に帰還したらしくて、その時に宇和島君にすべてを話してくれたらしい。もう一つは、世界時空機関21世紀支部のみんなが集めてくれたデータを解析して分かったことを話したんだ。」

 ヴァレンタイン「ほう、君たちの時代の技術はすごいものだな。25世紀になると、異世界のデータを集められることができるようになるのか。」

 

あたかも、感心するような態度をとっているように見えたが、少し疑問に感じた様子であることが瞬時に理解できた。

 ヴァレンタイン「だが、君の説明では分からない部分がかなりあるぞ。話がここで終わってしまっては、敵が結局どうなったのかわからないではないか!」

その通り。これでは、敵がどう動いたのか、全く分からないからだ。

 山本「おっしゃる通りです大統領閣下。…さて、そろそろあのお方から連絡が来るはずなんだけど…。どうやら、タイミングばっちりだ。さて、皆さん、画面にご注目ください。」

山本がそう言うと、突然モニターが切り替わり、白髭を蓄えた老人が映し出された。時空省歴史室室長【毛利元就】である。

 元就「お、どうやら画面に私の顔がしっかり映し出されたようだね。初めましての人は初めまして、これから話の続きを語る毛利元就というものだ。いや~過去や未来から来た様々な英雄たちがそろい踏みだね~。いやいや、感無量感無量。」

どうやら、このメンツを見て興奮を隠しきれていないようだ。歴史好きの元就公にとっては、これほど素晴らしい光景はないだろう。少なくとも、元就公を知っている者たちにとってはいつものことである。

 

 アタランテ「ほう、そういうことか。今までは、君が知っているまでの内容を話していただけだったというわけで、始めからすべてを知っているわけではなかったわけだな。」

 その通り。山本はアタランテに対して親指を立てた。