5章 冬木にて ガンマン二人と出会う。 2

さて、ここで雑木林にいる二人の男に話を移すこととしよう。二人とも、この章の冒頭に説明したサーヴァントという存在である。二人とも、同じ国、同じ時代の【ガンマン】である。一人の名は【ワイアット・アープ】、もう一人の名は。【ビリー・ザ・キッド】といった。

 ビリー「いやいや参ったよ。サーヴァントとして召喚されたと思ったら突然同じ【ガンナー】のサーヴァント、【ワイアットアープ】に襲われるなんて…。なんか僕、生前彼に恨み買うようなことしたっけ?…う~ん、取り敢えずこれからどうしようか?あいつには通じないみたいだし…。」

草陰に隠れているこの少年、【ビリー】は、生前義賊として名を馳せたアメリカ合衆国の伝説的ガンマンである。どういうわけか、突然この時代に英霊として呼び出されたものの、自分を召喚した筈のマスターが存在せず、その上同じ時代に活躍したアメリカの伝説的な保安官である【アープ】に突然襲われてしまった。しかし、奇妙なことだ。自分は彼に会ったことすらないのに、何の因果かわからないものの、こうしていま、顔を合わせているのである。

 ビリー「しかし、どうすっかなぁ。このままだと、なんで召喚されたのかさっぱりわからないまま殺されそうだ。だれか、この近くにほかのサーヴァントいないかなあ。」

このままこの場所にいてもどうしようもない。そう思った彼は、極力音を出さないように、この場から穏便に立ち去って、アープから逃げようとしたときである。突如、自分の背後から銃声が聞こえたのだ。ビリーは条件反射的にを縮こめる。もしかしたら、自分の居場所がばれたのかもしれない。

 ビリー【しまった!背後を取られた!】

ビリーは愛銃【サンダラー】を構え、銃口を音のしたほうに構える。だが、構えたほうに人はいない。なんだか様子がおかしい。すると、今度は少し遠くから数発の銃声が聞こえてきた。なんだか様子がおかしい。ビリーは、人間の背丈より少し低いくらいの草叢から顔を出し、銃声のするほうを見る。すると、一体何が起こっているのか瞬時に理解することが出来た。