5章 冬木にて ガンマン二人と出会う。 4

 アープ「仕方ねぇ。こいつを使うか。実際にこんな銃を持った覚えはないんだが、これがサーヴァントの特権ってやつかな。ってわけで、使わせてもらおう。これぞ【OK牧場で使いしとされし空想の産物!長超銃【コルト・バントライン・スペシャル】!」

サーヴァントは、自分を象徴するものとして、【宝具】という概念を持っている。いわゆる必殺技だったり、自分の能力を上げるためだったりするのだが、彼の場合は自信が持っていた愛銃がそれに該当する。しかし、この長超銃、実際に彼がもっていたものではなく、空想の産物である。というのも、彼を題材とした物語では、この銃を使うシーンが多く登場するため、実際にあったものとされてしまったのだ。だが、サーヴァントは人々の願いに多少捻じ曲げられてしまうため、彼が本当に使うこととなったのである。

 山本【そうか、やっぱりこの男サーヴァントか!】

山本は咄嗟に光線剣を×の字に構え、相手の拳銃から放たれる強力な一撃を防ぐ態勢をとる。弾丸は螺旋を描きながら、山本の方へ音速で飛んでいく。恐らく、それは到達するのに一秒もかからないだろう。そして、それは山本のところに到達した。しかし、どういうわけか、銃弾は何かに焼き切れるような音がした後に、山本の足元にひしゃげた状態で地面に落ちた。

 アープ「…ふっ、受け止めたみてぇだな、ヤングボーイ。今のは挨拶みてぇなもんだ、受け取っておけ。また会うことになるだろうからよ。」

アープはその言葉を残して姿を消し、完全に見えなくなってしまった。どうやら、霊体化したようだ。

 山本「…ふぅ。逃げられてしまったみたいだな…。これでは自分もお手上げだ。」

 良牙「ふっ、どうやらそうらしいな。…途中から完全に出番がなくなってしまって何とも言えない気分なんだが…。」

 山本「いや、十分十分。おかげさんで攻略の糸口つかめたし。」

そう言いながら、素敵なスマイルで良牙を励ます。