5章 冬木にて ガンマン二人と出会う。 5

 良牙【もっさん。その笑顔が逆に俺の心に沁みちまうぜ…ちくしょう。】

そんな光景を離れて見ているキッドは、目の前でつい先ほどまで行われていた戦いに度肝を抜かれていた。あの青年、一体彼が何者なのか、非常に興味を持ち始めていた。

 キッド【よし。このまま彼の近くまでいって話が出来ればいいんだけど。よし、ここは茂みから顔を出して…】

キッドはそのまま顔を出そうとして立ちあがろうとした。すると、突然上から影が差し、一体何事かと思ってキッドは顔を上げると、そこには、先ほどの青年が顔を出していた。

 山本「そう言えば、さっきからここにいるみたけど、あなたもサーヴァントなのですか?」

どうやらその必要は一切なかったようである。どうやらこちらの存在に最初から気づいていたらしく、そのままこちらに来てくれたようだ。

 キッド「うぉ!びっくりした。いきなり現れて驚かさないでくださいよ!」

 山本「いや、先ほどからそちらに隠れているようだったので会いに来てみたのですが…。」

 キッド「出来ればもう少し驚かさないような感じでやってほしかったんだけど。まぁいいや!いま起こっていることについて聞きたいことがあるし。」

こうして、山本たちは、これから数多く出会うサーヴァントの一人、アメリカの伝説的な義賊【ビリー・ザ・キッド】と出会うこととなった。ここから、この時空において、最凶のサーヴァントが、人類が今まで見たことのないクラスとして現れることを皆知らないのであった。そして、それはすでにそのサーヴァントがいることなぞ露も知らないのであった。