全時空省会議 その2 1

 さて、ここで再び時間軸を未来の話に戻そう。これは、第3章が始まる僅か一日前のこと。一旦閉幕した筈の時空省会議であったが、日本支部の事件を受け、臨時会を開くことになった。しかも、今回は国際連合議長でもある【シーヴ・フィニス】が議長を務めるというものものしいことになった。

 元就「さて、この会議が終了したのは一週間前、私がこの時代から行方不明になったのは二日前。そして、私がこの世界に戻ってきたのはつい一日まえ。…そして今日だ。どうやら、私の報告が上に届いたようでよかった。しかも、国連議長まで出てきてくださるとは…」

その言葉を横で聞いている人物こそ、この時代における国際連合議長閣下その人である。

 フィニス「そうでなければ、我々の世界が脅かされること間違いなしです元就殿。私の友人であり、あなたの国でも屈指の賢人であるあなたからこのような報告書が届いたというのは驚愕すべきことです。未だ行方不明複数に長官は暗殺され、しかも、つい先ほど大臣殿が何者かに重症を負わされるといったことまで。…これは大ごとです。」

この事件は、世界各国に衝撃をもたらした。特に、山本次官の行方不明という知らせは、恐怖をもたらすことになった。

 元就「そう。それが今一番大事な話だ。それで、それに関係してか、アメリカで何やら不穏な動きがあったということで、彼の友人である辻谷君に、そこにいくようにお願いしてはいるのですが。」

 フィニス「その話は聞いています。彼なら心配無用でしょう。…それでなのですが。」

フィニスは、会議が始まる前に、元就に聞きたいことがあった。しかし、手元にある携帯端末の時計を見たところ、会議開始まで後15分という所まで来ていた。

 フィニス「…どうやら、もう時間のようですな。…では、また後程。」

元就も時間を確認した後、国連本部の大会議室に向かい、駆け足で向かっていった。