全時空省会議 その2 6

このように、謎が深まるばかりの話ばかりだが、この物語において重要な話であるため、ここに記しておいた。話は、再び25世紀末へと戻る。非常時空宣言の話を受け、興奮する議会場。しかし、不思議なことに、元就の周辺に座っている者たちはそこまで興奮していない。

 アタランテ「これは、大変なことになったな…ん?何か私の周りだけ様子がおかしいような。」

 元就「それもその筈。私の周りにいるのは、私の所属している派閥のメンバーだからね。…まぁ基本何事があっても驚かないメンツとでも言っておこうかな。」

そう、元就は、時空省の中でも特殊な派閥に所属しているのだ。その名は、【時空省知能会】!今回は、この会議に参加しているメンバーだけ紹介しておこう。一人目は、19~20世紀の天才科学者【ニコラ・テスラ】博士である。この時代、いや、21世紀の電気文明の祖といっても過言ではない人物である。

 テスラ「そういうわけだ、お嬢さん。私たちにとっては驚くまでは無いのだよ。」

その次に口を開いたのは、三国志に登場する劉備軍軍師、鳳雛鳳凰の雛】と称された【ホウ統】である。

 ホウ統「そうそう、あっし達は多分こうなるんじゃあないかなと前々から思っていた所だったのさ。伊達に軍師はやってないよ~。」

その話をまじまじと聞いていたのは、愛新覚羅玄ヨウ【ヨウの字は火偏に華】、またの名は、康熙帝。中国史上、最も優れた名君として知られる人物である。

 康熙帝「流石はかの名軍師。物語通りの読みでしたな。余も驚きましたぞ。」

その他、会議に参加しているが、口を開いていないメンバーに、サラディンピカソといった者もいるが、それはまたの機会となるだろう。それよりも、ここで重要なことは、今回宣言が採択されるかどうか否かという所にあった。