ダークサイドの力 5

赤い光が、会議室の中央の地面を、人が一人はいる程開けられた後、何やら黒い何かがその穴から飛びあがってきた。これが、後に語られる時空省会議襲撃事件の犯人、【カイロ・レン】が現れた瞬間だった。

 偉人A「な、なんだあれは?」

 時空省職員B「いえ、何なのかは良くわかりません!人か、それ以外かは全く判断できない状況です。」

 国連職員C「なんでもいい!何者か探りだせ!」

突然の出来事にパニックになる会議室。その中でも、何人かが彼の正体を探ろうとしていた。その一人が、偉人・ロシア皇帝ピョートル一世である。彼は、会議室でも、ほぼ後ろのほうにいたものの、2メートルを超える長身で遠いところがよく見えたのだ。しかし、視力は並であるため、手が器用なことを生かし自分で作った高性能双眼鏡【25世紀製】を用いてその正体を確かめようとしていた。

 ピョートル「…むっ、取り敢えずあれは人間であることは間違い無いとして。…何かしら、嫌な予感が。」

その勘は当たっていた。ピョートルは、その黒い何者かを注視するのと同時に、それを抑え込もうと何人かが取り囲むのが見えた。

 だが、それが悲劇の幕開けだった。まず初めに取り囲ったのは、時空石に召喚された偉人以外、すなわち国連と時空省の職員だ。次に、待機していた警察やFBIが事態に気づき、次々会議室に入りこんでくる。

 職員D「貴様、何者だ!」

 警察A「おい!取り囲め!あいつを逃すな!」

周りに響きわたるのは、怒号のみ。しかし、そんな中でも取り囲まれているその男は微動だにもしない。

 レン【…さて、無能が集まったか。】

しかし、彼からすれば、所詮その程度でしかないのであった。