ダークサイドの力 13

恐らく、この戦いを見ている者は、レンの剣術に目を奪われている筈である。非常に無駄がなく、洗練されたその動きに目をみはるばかりだ。動きが粗野で、力強いエドワードとはまた違うため、更に際立つのだろう。しかも、その剣の筋一つ一つが確実に急所を狙っているのである。

 エド「くっ、なかなか、きれいな動きしてるわりにゃ結構えげつねぇ所狙ってやがる。」

 レン「当たり前だ。俺はお前を殺すつもり満々だ。お前の武術、中々のものだが、守りに入っているのがよく分かる。…相手を殺さないという意味でな。」

 

彼の言う通りである。エドワードは、結構短気な正確であるが、根はだれよりもやさしい少年。殴り飛ばしたりすることは多々あれども、ある程度は加減している。だが、その性格が今度ばかりは裏目に出ているようだ。

その光景を見ていたのは、世界中の多くの人々だ。日本時空省でもそれは同じ、この世界に迷い込んだ者たちも同じである。久々に登場することとなるエルザ・スカーレットもその一人だ。

 エルザ「しかし、今日は驚かされることばかりだ。信じられるか銀時。」

 銀時「ああ、まったくだ。しっかしなんでこんなバカバカしいことをやろうとしたのかねぇ、このテロリスト。なんでどこの世界にもこんなバカなこと考える野郎がいるのか。」

 エルザ「全くだ。その力を別なところで使えばよかろうとは私も常日頃思っている。…ん?ちょっとまて、今何といった銀時?」

 銀時「ああ、テロリストの話か?まぁ、なんつーか、俺のいる世界にもそんな奴いるんだよなぁ。…全く、なんでなんだろうな。さて、さっき聞いた話だと、エクソシストさんと死神ご一行はこの一方を聞いて救援に向かう予定らしいな。」

 エルザ「ああ、どうもそうらしい。我々は一応待機することになっているが、どうする?」

エルザの問いかけに対し、銀時はいつもの死んだ魚のような目で冷静に答えを返す。

 銀時「ま、こういう時は慌てないこった。それに、この日本でまたなんかあったら困る。大人しく、ここにとどまった方がいいだろうな。」