サーヴァントと助っ人 9

 ドゥークー【ほう、この娘がそうか。成程、見た目は確かに少女そのものだ。…しかし、底知れぬ何かを感じる。】

ドゥークーは大人しく武器を納め、少女のほうに目線を合わせる。

 ドゥークー「これは失礼した、レディ。何やらあなたの警備兵が私を大変警戒していたようなので思わず追い払ってしまいましてな。」

 イリヤ「それはどうも。折角大量生産出来たと思ったら、どうやら不良品だったわね。全く、あなたに損害賠償でも請求しようかしら。」

この二人、見事に反りが合わないようである。出会って早々この有様だ。二人はそのまま皮肉合戦を続ける。

 ドゥークー「そうですな。一応資金はありますのでいくらかは賠償が聞きますが?」

 イリヤ「そうね。そうしていただければ嬉しいけど。それよりも、いきなりこんな辛気臭い話はやめにしない?あなた、自分で貴族と名乗るならそれなりの態度を示したらどうかしら?」

ドゥークーはそれは失礼と居直り、一礼した後自己紹介を始める。

 ドゥークー「これはこれは。そうですな。言われてみればまだ自己紹介がまだでしたな。…私の名はドゥークー。覚えて頂けたら光栄です。」

ドゥークーが一礼すると、それに答えるかのように彼女もまた一礼した後に自己紹介を始める。

 イリヤ「私の名前はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。イリヤでいいわ。」

 ドゥークー【間違い無かった。この少女がイリヤスフィールだ。…だが、あのような従者がいるとは驚きだ。マスターからも聞いていない。…これはわざとなのか?しかし、マスターの策に外れはない。ここは、相手を見てどう出るかを見極めねば。】

まずは、相手の出方をみてどうするか。それからが大事だと彼は思い始めてきた。