サーヴァントと助っ人 10

 ドゥークー「分かりました、イリヤ殿。そう呼ばせてもらいます。…しかし、そう呼ぶのもあと僅かかもしれませぬぞ?」

 イリヤ「ま、なんとなくあなたが考えていることは分かるわよ。用があるのはこの私でしょう?」

 ドゥークー「そういうことになりますな。…しかし、それには邪魔なものがおりますが?」

ドゥークーはとてもとてもあなた様には構いませんと言わんばかりの態度を見せる。それもその筈、彼女の後ろにいる大男が何者かまったく分からないが、只言えるのはあまり手を出しずらいということだ。

 イリヤ「ん?後ろのバーサーカーのこと?あら、それなら心配いらないわ。だって、【あなたと同じ】だから何も問題ないでしょう?」

彼女の言葉に、一瞬何のことなのか、彼はよく理解でき無かった。だが、彼女はドゥークーの正体をしっかり見破っていた。

 ドゥークー「ん?私と同じといいますと?」

 イリヤ「あら、分からないというような顔をしているのね?あなたのマスターがどんな人物か顔を見てみたいわね。」

その言葉で、やっと彼は理解できた。…そういうことか。なら、後ろにいる大男も【サーヴァント】なのかということが理解できた。

それは、この星で目覚めた私に、私のかつての師であり、現在マスターである【×××】。通称皇帝陛下はあらゆることを教えてくださった。その時の光景を彼はそういう風に、感動的なこととして思いだしていた。

場所は、どことも知れぬ高層ビル。皇帝を自称する老人は、かつての弟子の一人であるドゥークを呼び出していた。これは、彼の能力である【かつての弟子を召喚することが出来る能力】で呼び出したのだ。そこで、彼は自分の弟子一人一人に話をすることにしたのだが、その一人がドゥークーなのだ。

 ドゥークー「…何ということですか!それは奇跡ではありませんか!」

 皇帝「左様。その点では、あの者らには感謝せねばなるまいな、わが弟子よ。」