サーヴァントと助っ人 21

始めは、イリヤも自分の目を疑った。ヘラクレスの様子が何かおかしい。それに気づいたときにはもう遅かった。完全にドゥークーの術中に陥ってしまったのである。

 ドゥークー【さて、やっと御すことに成功したか。…ならば、後は私の思うがままあの巨人を動かすのみだ。】

その巨躯は、瞬く間に地面を揺るがす。かつて深い契によって結ばれた主従は、マインドコントロールというまさかの方法で操られる結果となってしまったのだ!そこまでに至るのは以下の過程を経る。

 イリヤ「…どうしたのバーサーカー!私よ?何か様子が変よ?」

始めは、バーサーカー自身も何が起こっているのかよく理解でき無かった。だが、彼は何かに必死に抗っていた。何故かというと、頭の中で何かが訴えかけるのだ。

 ドゥークー「…成程。君とイリヤスフィールとの間にはこのような絆があったのか。さぞかし、君はマスターにさぞほれ込んでいるというわけか。では、そんな彼女を狙う私はさぞ憎かろう。突然襲撃しておいて、尚且つ命まで奪おうというのだ。流石の大英雄である君であってもだ。」

言葉一つ一つが重しのように頭の中で響いてくる。…そう言えば、いつからこんな気分だったであろうか?恐らく、先ほどの戦闘で何かしらの洗脳をいつの間にか受けてしまったようだ。あれからそれなりの時間が経過したような感覚に襲われるが、恐らくこれは精神の世界の中の話。それ程時間が経っているわけではない。しかしだ。イリヤ達の世界ではそこまで時間が経っているわけではないだろう。非常に重い感覚に襲われている。何が重いかと言えば、全てが重いとしか言いようがない。精神、肉体、世界、空間、時間、あらゆる物が重くのしかかってくる。

 ドゥークー「流石に効いてきたようだ。それはそうだろう。フォースは君のような理性を欠いているものには特に有効だ。」