サーヴァントと助っ人 22

バーサーカーは、次第に何かに呑まれていく。ついには、自分の意識まで重くなってきた。彼は、このような重鈍な気持ちに耐えうる精神をもっているはずなのだが、一体どうしたこのなのか、まるで、何かに自分を操られているような感覚に陥ってくる。しかも、操られているのは身体だけではない。変わっていくのはさらに内側の【精神】の部分だった。

 ドゥークー「さて、もういい筈だ。彼の中ではかなりの時間が経過しただろう。もっとも、我々からしたらそこまで時間が経っていないはずだがね。さて、もういいだろう。君の精神はもう正常には働いていないはず。もしも、君が本来のサーヴァントクラスである【アーチャー】すなわち弓兵ならもしや操ることは不可能であったろう。それなら、自分も勝てなかった。だが、いくら強化且つ狂化しているからといっても、それが利点でもあり、弱点にもなる。今回は後者となり、自分に有利に働いていただけであったな。」

彼の戦術眼もなかなかという所だ。これは、生まれつきの能力というよりは、ある経験をしたという所が大きいのだが、今は置いてくとしよう。

そして、バーサーカーのまさに狂戦士化である。彼は、突如暴走を始め、マスターであるイリヤスフィールを襲い始めたのだ。

 元就「いや、これは明らかにおかしい。あれは、何者かに操られているんじゃないか?」

流石は毛利元就といったところか、すぐに異変の理由に気づいた。その言葉に、一瞬イリヤは戸惑いを見せたものの、彼の様子を見た彼女は、残念ながらそれで間違い無いという根拠を感じてしまった。それは、バーサーカーとの魔力のつながりが薄くなり始めたからである。

 イリヤ「うそ…こんなことってありうるの?」

 伯爵「残念だがそうだ。この宇宙に存在する極意を知るものの身が可能な力だ。それが、【フォース】。恐らく、この力が行使されるのはこの銀河系では初めてなのかもしれぬ。