サーヴァントと助っ人 23

このように、彼らが危機的状況に陥っている一方で、元就たちがこちらに来ているということは露とも知らない山本は、現状を把握するためにランサーと呼ばれる男性と話しあっていた。他の二人、【サーヴァント】と呼ばれる少年ビリーと、一緒にこの時代に飛ばされてしまった良牙も話に加わっていた。

 山本「ところで、今自分は何故だかわからないまま21世紀初頭の冬木市にいるということで間違い無いのかな?」

 ランサー「ああ、そういうこった。間違い無く、ここは冬木市で間違い無いぜ。…しっかし、さっきの銃弾にはたまげた。一瞬俺自身も自分が死んじまったかと思ってたが、かすっただけですんだから命拾いしたもんだ。」

 

それは、先ほどの事件である。流れ弾がランサーの頭に直撃したように見えたが、奇跡的に頭をかすめただけですんだのだ。彼としてはかなり運のいい話である。何せ、彼はとことん運のない男なのだ。彼からしたら、ほぼありえないほどの話なのだ。

 キッド「いや、なんだか巻き込んでしまって非常に申し訳ない気分だ。これじゃ、とても義賊とは言えない所業だね。」

 良牙「別にそこまで謝らなくても良さそうだぜ。それよりも、俺が驚いたのが、なんでアメリカの西部開拓時代のヒーローが、ほぼ同じ時代だが面識のない同時代、同国の有名な保安官にこの時代の日本で追っかけられてんのってはなしだ。」

その疑問は当然浮かんでくるものだろう。何故なら、目の前にかの伝説のガンマン。愛銃【サンダラ―】を持った伝説的義賊【ビリー・ザ・キッド】がいるのだ。正確には、目の前にもう一人伝説的な英雄がいるのだが、ここは伏せておこう。

 ランサー「その通りだ。ま、そのことについては俺から説明したほうがいいかもしれれぇな。恐らく、関係あるはずだからよ。」

ランサーは、この街で行われた【聖杯戦争】について語った。この物語でも、先に述べた部分と被るのでここでは省略させてもらおう。