喫茶店 アーネンエルベ 13

それは、山本たちが事件にあった時間の12時間前。二人は美女をナンパ…もとい、事件に巻き込まれている人を探して街を歩いていたところにその女性とあった。どうも、政府とかかわりのある、とある研究所で働いているという白衣を着た女性が二人の下に事件の相談に来たのだ。その内容が、どうも時空省次官である山本が誰かに襲撃されるということなのだ。

二人は、とある事件でこの山本次官と面識があり、その上この25世紀で職に困っていた二人に職業斡旋をしてくれた恩人でもある。ここは、助けなければいけないということで、山本次官がやってくる場所まで教わり、そこへ駆けつけた後はこの物語の通りだ。しかし、美女に弱い二人はその時はあっさりとその話を信じ込んでいたが、今考えてみるとなかなかに怪しい話だったと後悔している。 

 

 郭嘉「まぁ、今となってはどうしようもないから、ここは食べ物を食べて落ち着こうということでここにいるからね。それに、我々は今21世紀に飛ばされているらしい。もしかすると、彼も我々と近いところに飛ばされている可能性はある。慌てずに行こうじゃあないか。」

本当にそれで大丈夫かと冴羽は考えたが、ここはかの天才軍師と呼ばれたらしい彼に従っていたほうがここはいいだろうという判断に至った。

 さて、二人は謎の黒い大穴らしきものに呑み込まれた後、この冬木市に飛ばされてしまったらしく、丸一日この森の中にいたのだ。これは、郭嘉の提案で、必要以上に動かない方がここは得策だろうということである。そのあと、今日になって山を降り、すぐ近くにあったこの喫茶店を見つけ、中に入ったのだ。一応、お金は何とかなりそうなことも分かったため、この店で食事をとって落ち着こうというというわけである。

 冴羽「ま、そのほうがいいか。もしかしたら、美女がいるかと思ったけど。んなことはなかったな。…どうも、将来有望なネェチャンはいるみたいだけどな。」

郭嘉も、うん、そうだねぇとか言いながら、テーブルを挟んで、半妖の少年の真向かいに座っている、セーラー服を着た娘を見ているのだった。