朝 3

 ガッツ「いや、ありゃほんとに化け物かもしれねぇな。辻谷はあんなのと友人だっていうから相当な肝してるとしか思えん。」

 アタランテ「ん?あの辻谷とかいう日本人、あの男の友人だったのだな。てっきり、部下の一人とか思っていたが。」

 ガッツ「どうやら違うみたいだ。昨日山本本人から聞いた話だから間違い無い。…そんな話ししてたら、もう後三体だけだぜ、古代の戦士さんよ。」

 

 話しているうちに、本当に最後になってしまった。三体のマシーンが、二振りの光放つ剣を持つ青年めがけ。あらゆる方向から襲い掛かってくる。…がしかし、その男が潜り抜けた修羅場を思えば、路傍の石にしか過ぎない。一体どうやって剣をふるったのか分からないうちに、全てが終わった。

 山本「う~ん。久しぶりに動いてみたけど、まだまだ精度が足りてないか。…もう少し、修練しなおしたほうがいいかもしれん。」

今までの動きでも十二分にすごいとしか言いようがないのに、一体どこが足りてないというのか。だから行方不明になったとでも言うのだろうかこの男は。…これは恐らく、相当強大な敵が裏で絡んでいるとしか言いようがない。そんな今までの様子を見ていたほかのメンツも、これから彼の口から語られるであろう事が、相当なことであろうというのはどことなく想像はしていた。

 書文「さて、あの者と死合う強者がいるということを考えると、これはかなり大掛かりなことになるな。」

 ヴァレンタイン「間違い無い。時代が違えど、私の治めていた国でそのようなことを犯す輩は許しておけん。」

 式「ま、それはいいんだけど、そろそろ戻ったほうがいいんじゃないか?多分、話の続きが始まるんじゃないか?」

そういえば、もう八時になる。まだ起きてない一部の人達もそろそろ目が覚めることであろう。さて、気になるのが、前の話に出てきた人物の一部が山本と一緒に現れなかったこと、そして、冬木の街や多くの異世界で起こっている謎の胎動だ。一体、何が異世界同士で起ころうとしているのか?その答えを知るために、他の異世界から、この地にやってくる者がこの街に集まろうとしていた。