妖怪退治 序 10

そのころ、ランサーは元就の命をを受け、冬木中の怪しい所を探し回っていた。その中で、かなり怪しい場所を発見する。そこだけ、明らかに魔力が大きいのだ。

 ランサー「いや、いくらなんでもあれは目立ち過ぎてんじゃねぇか?まったく隠す気すらねぇじゃねぇか。ま、敵さんの居所はこいつではっきりしたな。」

ランサーは、高い建物のの上からその場所を見つめる。どうやら、彼が見つめているのは、新設される道路の工事現場であるようだ。そこに漂うのは、他とは明らかに違うほどの怪しげな妖気に満ち満ちているのが感じ取れた。しかし、これを感じ取ることができるのは、魔術に精通しているものか、妖気を感じ取ることができるもの以外は良くわからないものである。ただ、一般人であっても、そこに近づく者は気が触れてしまってもおかしくないレベルだ。

 ランサー「やっぱりな。あの工事現場、ニュースでよく事故を起こしてるって話をきいてたから行ってみたが、間違いなさそうだな。まさか、聖杯戦争が終わったのに、又魔術師が事件を起こそうっていうのか?…いや、こいつは気色がちげぇな。…なるほど、こいつは妖怪の類か。…ここは、大人しくさっきの喫茶店にもどって知らせた方がいいな。」

ランサーはすぐさまこのことを伝えるために、喫茶店アーネンエルベへと急行する。そして、山本たちがちょうど彼の話をしている際に、丁度その場所へ着くことが出来た。喫茶店の中で、入店した際に流れるベルがなり響く。そして、アロハシャツをきた気さくな青年が現れた。

 ランサー「よっとマスター。戻ってきたぜ。済まねぇな、忘れ物を取りに行くために店を開けて。」

勿論、これは彼の方便であるが、マスターの方も事情は良くわかっているようだ。何せ、この喫茶店には普通のお客さんもいるので、訳の分からないことを話すよりは穏便に事が済むからだ。そして、そのまま何事もなかったかのようにジョージは彼を山本たちに案内した。