妖怪退治 中 3
いや、あの顔はどちらかというと、何か言いたくて今か今かとワクワクしている顔だろう。一体何を言いたいのかは未だよくわからないので、まずは話を聞くところから始めることにした。
宇和島「いやぁ国家錬金術師のお兄さんとその弟君。お仕事お疲れさん!」
エド「は~い、本当に疲れましたよ。…いくらなんでもいろんなことが起こりすぎじゃあないですかねぇここんとこ。」
宇和島「そうだねぇ。おかげさんでこちらもかなりやばいことになってる。そのせいで、君たちに話したいことがあるんだけど、15分だけしか時間がないから、ちゃーんと聞いてほしいな。」
15分あればそれなりに聞けそうだなと兄弟はおもったものの、逆に言えば、15分も時間取れたなともつい思ってしまった。とは言え、一見エキセントリックなだけに見える彼女はかなり仕事ができるほうなので、時間を取れるよう何とかした可能性も否定はできない。折角来てくださったというからには、話はしっかり聞いてあげないといけないという気持ちに二人はなった。
エド「いいですよ。コミュニケーションは大事だし。…それで、用件は?」
宇和島「それはね、君たちがどうしてこの世界でも錬金術が使えるか気になって調べてみたら、ちょこっと面白いことが分かってね。もしかすると、君たちの力を使って山本さんをこちらに連れ戻せるかもしれないということなんだ。つまりは、君たちはこの世界だけではなく、あらゆる世界でその力を行使できるかもしれないということがわかったのだ!!」
成程、それは吉報だ。しかも、彼女は自分たちがこちらの世界で錬金術を行使できるのか説明を始めてくれたのだ。なんだかんだでこの人はかなり有能な人なんだなということをしみじみと感じることになったエルリック兄弟である。