妖怪退治 佳境 12

かまいたちと激しいバトルを式が繰り広げている一方、そんなことになっていようとは露も知らないかごめ達は、他の皆がどこかへ行ってしまっていることに次第に気づき始めた。

 かごめ「そういえば、他のみんなの姿が見えないわ。そろそろ集合時間だけど?」

 目玉の親父「ん~確かにそうじゃの。もうそろそろ姿を見せてくれてもいいはずなんじゃが…」

 鬼太郎「それなんですが父さん。そもそも僕たちの周りに人が一人もいないことになぜか気がつかなかったのですが…」

不思議なことに、三人が会話をしているごく短い間に、周りにいたはずの人が次第に消えていなくなっている。その上、辺りには霧が立ち込め、空は赤く光り輝き始める。それと共に、鬼太郎の髪の毛がアンテナのように立つ。

 鬼太郎「父さん、これは只ものの妖気ではないようです。」 

 親父「わしも感じておる、かごめちゃんもどうやら何か感じておるようじゃ。かなりの強敵であろうて、しかも、どうやら一人だけではないようじゃ。ん?しかしじゃが、もう一人は妖怪ではない何か別もののようじゃ。」

そう、相手は二人だ。一体は、大きな鳥の姿をした妖怪【松明丸】。して、もう一人は妖怪ではない何者かであった。が、しかし、目の前にいるのは人間でもない。その姿は、時空省を襲撃した男と同じ、頭まで深々とローブを被った、肌の赤い男だ。その姿は、時空省を襲撃したものと同一人物ように見えた。いや、同一人物である。無論、時空省なぞそのような存在を露も知らない三人は、彼のこともまったく知らない。

 かごめ「変ね、もう一人どっからどう見ても人間ではないのだけれど。」

彼女のつぶやきに対して、どうやら黒いローブを着た男が彼女のつぶやきに対して返事を返したようだ。