妖怪退治 佳境 19

 かごめ「うそ!?全部弾かれた?」

 モール「信じられぬのも無理は無い。お前たちは【感じられぬ】者だからだ。しかし、私は感じることが出来る者。この世の、いや、この宇宙に広がる【フォース】は偉大だ。」

 

フォース、始めて聞く単語である。どうやら、彼の技巧的な剣術はその力を用いて行っているものであるようだ。

 鬼太郎「フォース?聞いたことあります父さん?」

 目玉の親父「う~ん、儂も初耳じゃ。ともかく、侮っては絶対によくないということじゃ。より気を引き締めてかかるのじゃ鬼太郎。先ほどの弓矢を空中に止めるという離れ業もやっておる。良く相手の動きに合わせて戦うのじゃ!」

鬼太郎は、はい、父さんと返事をし、目の前の強大な敵に全力をもって対峙する構えをとる。

今度は鬼太郎から仕掛ける。鬼太郎も、モールに対してフェイントを取る。右手で攻めると見せかけて左手で、冗談から攻めると見せかけて脇から下段へと、相手に負けぬほどのフェイントで攻める。しかし、どうしたことであろうか?相手はそれをすべて涼しい表情で【あまり表情は変えないので本当にそうした顔をしているのかは疑問だが】躱して、さばいてのけた。

 鬼太郎「駄目です、ほとんど避けられるか防御されるかのどちらかです。」

 親父「う~む、このままでは埒が明かんわい。…かごめちゃん。なにか他に何か方法が無かろうか?」

 かごめ「それが、私にできることといえば弓を放つぐらいで他には特にできそうなことが…」

このままでは、完全に万事休すという状況になってしまった。せめて、あと一人、あと一人いれば…。と念じたのが功を奏したのか、ここでやっと【あの二人】が現れることになる。