英雄集結 1

異変はすぐに分かった。敵も味方も、始めは気のせいではないかと思っていたが、それが次第にそうではないということがわかり始める。何やら、金属にひびが入るような音がしたと思えば、次に、空中に本当にひびが入り始めだした。この状況に、敵も味方も関係なく、その様子を互いに見つめる。

 モール【…ほう、どうやら誰かつけていたというわけか…でなくば、この結界を破るものなぞ一人もおらんからな…」

彼の言う通りである。この結界の正体を、郭嘉は見破っていた。

 郭嘉「やはりこの場所であっているようだね。よく見ないと分からないけど、ここだけ空間がずれて見えている。しかも、ここは裏鬼門にあたる場所。龍脈の流れもここであっている。…運よく、君に会うことに出来てよかった。」

 

彼が見つけたという人物は、かごめが探し回っていた犬夜叉その人であった。

 郭嘉「しかし、敵は何故このような失態を犯したのか判然としないところだね。わざわざ結界破りの名人を呼び込んでしまっている。…何を考えているのだろう?」

 犬夜叉「しゃらくせぇ。とにかく今はかごめを助け出すことが最優先だ!!」

 冴羽「それもそーだ。さて、あの兄ちゃんが結界を破壊さえすりゃ言い訳だ。しかし、商店街からちょっと離れた場所にこんなものをつくるったあ敵さんもやるもんだ。」

そう、彼らが迷い込んだのは、商店街そのもの…ではなく、【森の中】でそれを術式で再現したものだったのだ。

 冴羽「魔術とかそんな胡散臭いものは知らねぇけどよ、そこまでめんどくさいことする必要があるのかねぇ。」

 郭嘉「やはり、あまり目立たせたくはなかったのだろうね。でも、おかげさまでこちらも全力でことにあたれる。敵は、少々戦力を集中させ過ぎたね。」