冬木編 はじめはアインツベルン城19
そういうやつなのである。その那由多銀河という者は。…山本、いや、【■■誠一】はそう思い返す。その内実は、ほとんどの
こんなシリアスな状況なのだが、別室にいる辻谷はというと。ちょっとした修羅場を迎えていた。
辻谷「ゆ…柚須ちゃん。…じゃなかった。今は初代様状態でしたっけ…。そんなに顔を近づけなくても…。」
辻谷は、外伝でちらっと出てきた妹、【柚須】に睨まれる。
柚須「いや!近づけっ!おまはんどんだけ心配したかわかっちょっとか!?」
すさまじい覇気である。最初はおしとやかな少女として登場した彼女とは違う様子を見せる。
辻谷「いや、そういわれましてん困っじゃ。」
柚須「よかや、困らん。親父様も心配しちょっのど!!」
横で聞いているのは、いったん時空省にお世話になっていたらしいゲーニッツ牧師と、ロロノア・ゾロだった。二人とも辻谷についてきた形である。
ゾロ「なーんか喧嘩してんなあの二人。」
ゲーニッツ「何やら未知の言語で話しているようにしか聞こえないのですが…」
それもそのはず。二人の話している言葉は薩摩弁。第二次世界大戦で暗号として使われるほどの難読方言だ。
二人「立派な日本語やっど!」
ゾロ「いや、今俺の言葉聞こえてたのかよ!」
どうやら、聞こえていたらしい。思わず、いつもの癖で勢いよく突っ込んでしまった。