冬木編 はじめはアインツベルン城 29

ロー「さて、残るはテメェだけか?確か、グラノとかいったか?」

 グラノ「そうだ。てぇめえナニモンか知らねぇが強ぇじゃねぇか。じゃあ教えてやる。俺の能力は【模型を実物に変える力】だ!!」

そうして、彼はロボットアニメに出てきそうな【ようはマ〇ンガー的な】模型を取り出し、それを実物化させた。轟音と共に、目の前に現れたるは40メートルはあろうかという巨大なロボット。普通の人間ならまず勝てる相手ではない。…そう、あくまで【普通ならば】の話だが。

 ロー「ほう、図体は確かにでけぇようだ。…ん?グラノの野郎どこ行きやがった?」

 グラノ「ここだよ、上、上。」

声は頭上から聞こえる。そう、今現在彼がいるのはロボットの頭部の中。その中にあるコックピットの中である。

 グラノ「俺の能力はもうひと段階上があってな。模型を自分で操縦することができるんだよ。じゃあな三白目野郎!ここで無残に死ぬんだ…。」

 

と、グラノはロボットを操縦しようとした瞬間、それは終わりを迎えようとしていた。

 ロー「残念だが、テメェはここで終わりだ。【ROOM!!】」

ローの右手の人差し指。それをよく見ると、空気の渦のようなものが現れる。瞬間、それは巨大な薄い膜状のドームに膨れ上がる。あのロボットをすっぽり覆いつくさんとするほどの大きさだ。