冬木編 はじめはアインツベルン城 30

 グラノ「な、なんだこれは?まぁなんでもいい。この薄い膜が何だか知らないが、とっとと壊してしまえば…」

 ロー「あぁ、やめとけ。こいつは人の手で壊せねぇ。それにな…」

 ?「この領域内は、オペオペの実を食べた者の領域となる…だったか?」

 ロー「そうさ、天使のお嬢さん。サイザーとか言ったか?お前さんの兄もあの立派な城の中にいるらしいからとっとと片づけるか。」

 

 いつの間にか、グラノの頭上には、空を飛び交う、赤い鎧を着た大鎌を持つ、凛々しい口調で喋る美人の天使が飛んでいるのに気が付いた。サイザー。この物語序盤から登場しているハーメルの妹である。

 グラノ「なんだ?今度は天使のお出ましか。まぁ関係ねぇ!テメェらはここで惨めにつぶされて俺の踏み台になるんだよ!!」

グラノは、宙を飛び交って翻弄するサイザーに目標を定め、ロボットからミサイルを放つものの、ことごとく躱され、一撃も当たらない。

 ロー「あの時もそうだったが、やるな嬢ちゃん。」

 サイザー「いや何。これでも昔は魔王軍でもナンバー3とか言われていた時期があったからな。っと、流石に危ないか。」

 グラノ「喋ってる暇はねぇぞ。さっさと倒して、俺が天界を統べる神になるのだ!あのマダラとかいう男の言うことが本当なら、俺が他の神候補を抑えて神になれるんだからな!!」