5章 冬木にて 3

 良牙「…むぅ。どうやら、俺の熱意をここで通すわけにはいかんか。…ここは、あかねさんのために!」

へいへいともう関わりたくねぇといわんばかりの態度で、彼の話を適当にしようとはぐらかす。そうしようとした。

 山本「あぁ、申し訳ないです。ちょっと彼、いつもと比べて異様に興奮気味なので…。」

山本は、平謝りしながら周りを見渡す。よし、周りに水は無いようだ。もしも良牙の周りに水があるようならば、余計に話がややこしいことになりかねないからだ。…そんな事態が訪れないことを祈りたい。そんな面持ちな山本であった。

 ランサー「ちっ、しょうがねえなぁ。…でもよ、そこの兄ちゃん。一体何もんだ?なんか口ぶりからして山本の兄ちゃんのことしってるみてぇだが?」

 良牙「ああ、そうだそうだ。なんか山本さんを探していたら道に迷ってしまって。…ここで会えたのは本当に運がいい!奇跡だ。あなたを探してもう二日!新幹線に乗って鹿児島に行ったり、岡山に行ったり。それに、バスに船と色々な手段を用いてようやくここにたどり着いた!」

 ランサー「…お、おう。どうやら、おめぇさんが無計画なのは良くわかった。」

 良牙「方向音痴と言ってもらおう!」

 ランサー「それ自身満々にいうことじゃねぇよ!!っつうかそれって余計に性質悪いわ!…ああ、もうなんか疲れた。ちょっとゆっくりしてから話聞こうかな…」

そのままランサーは腰を据えて、少し休んでから話の続きをしよう。そう思った矢先だった。突如、彼にむかって何かが彼に向かって飛んできた。それは、何故であろうか、鉛の弾丸であった。

 

 ランサー「おわあああぁぁぁぁああああ!!!」

 山本「ランサーさんが死んだ!」

 良牙「この人でなし!!」