再びカルデアにて 9

 山本「お褒めの言葉、有難うございます。かなりの魔力を使用するので、もし術式に不備があったらと思ったのですが、杞憂でよかったです。」

 ダヴィンチ「いやいや、これだけ立派なもの見せられたら私は何も言えないよ。それで、この魔方陣を使って何をするつもりなのかな?」

 

山本は、テスラとアタランテを魔方陣の中心に来てほしいと頼み込み、二人とも少し戸惑いながら恐る恐る中に入る。

 アタランテ「大丈夫なのだろうか、一応ここに来るまでに、走りながら色々と話しを聞いたが、やはり抵抗がある。」

 テスラ「うむ。いきなり初対面の若者に頼み込まれてもいろいろと困惑するばかりだからな。」

二人の言動を聞いて、ホームズとダヴィンチはこの青年が何かしらの突拍子もないことを考えているのではないかと思い始めた。そして、それはふたりの想像した以上に大掛かりな大魔術であるということがすぐに明かされた。

 山本「ええ、今から25世紀、未来の二人をデミ・サーヴァント化させることです。正確には、未来の二人をより白にして、サーヴァント化させるといった方がよいのですが。」

 ホームズ「何?そんなことが本当にできるのかね?500年も先の時代に彼らを送り込むということだよ君?」

山本は、疑いの目を向けられているのを承知で、落ち着いて説明を始める。そうでもしないと、二人に余計に怪しまれるだけだからだ。

 山本「ええ、普通なら相当な魔力量で、マスターが死にかねません。そのうえ、この時代では時間旅行はまだ【魔法】のレベルでしたね?」

 マシュ「はい、恐らく、2016年現在では、レイシフトできる人を除けばまだ皆だれでも時間旅行ができる時代ではありません。科学的な技術、または、魔術片方を用いただけでは不可能でしょう。」

皆さん、知っていらっしゃる通り、21世紀では時間旅行なぞとても出来るほど科学技術は発達していない。しかし、山本の時代では厳しい制約や法律はあるものの、時間旅行はある程度はできるようになっている。