片翼の天使32

時空省の仲間たちだけ?いやそれはいったいどういうことなのだろうか?サーヴァントたちの中には知恵者や武勇に優れたものが多くいるはずだというのに、寧ろ、自分たちだけが何故か先にこの場所まで来られた。何故だ?が、その疑問はまずは後回し。今大事なことは、正面の敵【セフィロス】を打倒しなくてはならない。

 山本「というわけでだセフィロス。…いったい何しにこのアインツベルンの森までやってきたのかは知らんが…今日こそ、あの時の復讐を遂げてやる。」

 セフィロス「ふっ、そうか。それは残念な話だ。」

セフィロスは、山本たちを見渡した後、愛刀正宗を構える。そうしながら、このカルデアに来るまでの顛末を思い出していた。

 

それは、まさに地獄の光景だった。はじめは、混乱からだ。セフィロスの目的は【カルデアのマスターに出会う】こと。

 

異変に気付いたレオナルド・ダヴィンチは直ちに謎の存在を探知、サーヴァントたちに迎撃させた。

 デオン「このあたりだ!問題の謎の男はこのあたりにいる筈だ!」

 シグルド「確かに、当方もこのあたりに気配を感じた。…間違いない、あの者が、ダヴィンチが言っていた【片翼の天使】で相違ないはずだ。」

 

片翼の天使。何故ダヴィンチがそう呼ぶのかは一目見て即理解できた。二人が見たのは、カルデアにいるかのアーサー王の円卓の騎士の半数が束にかかっても簡単にあしらう、黒い羽根を生やしたあたかも堕天使のような男だった。