妖怪退治 中 8

正直、この橋の上から見える景色を見る限りでは、果たして本当にこの街で妖怪なぞ本当にいるのだろうかということをつい思ってしまった。それ程、今日は良い天候である。橋の中ほどまであるいたものの、特におかしな点は見当たらない。この調子なら、そのまま橋を渡った後、川を北上して、目的の場所まで一直線だ。そう、この時はそれで問題ないと思っていた。

 ランサー「なんだ、このままならまっすぐ目的地に向かえば問題なさそうだなこりゃ。」

 山本「どうやら、そう見たいですね。このまま何も起こらなければいいのですけれど。」

 ビリー「そうだね。今のところは特に何も起こってないし、もうすぐ橋を渡り終えそうだ。」

三人は、そのまま橋の終わりの地点まで到着し、そのまま右を向いた。いままで西側を向いていたので、右を向けば北方向に行くことができるからだ。…その筈だった。

 一同「ん??」

こうなるのも無理はなかった。何故なら、先ほどまで間違い無く西向きに歩いていたはずなのに、何故なのか、目の前に見えるのは山だったからだ。正しくは、海が見えていないとおかしな話なのだが、辺りを見渡した時に、それに気づいたのだ。

 山本「ばかな!元の場所に戻っているだと!」

 ランサー「ああ、どうやらそうらしいな。もしかすると…。よし、もう一度、全力疾走で橋を渡ってみるか。」

そうして、もう一度、橋を渡ったものの、どういうわけか、一直線に走ったはずが、気付いたときには元の場所に戻されてしまうのである。

 ビリー「どうやら、俺達してやられてしまったみたいですよ山本さん。」

 山本「どうも、そうみたいだね。どうやら、魔力反応がしているみたいだ。一回わたると、気が付くようになってはいるけど、その前は一切気がつかなかった。…おそらくは。」

 

 ?「ちゃんと魔術が機能しているかどうか、チェックするためにあえて残したということ…とお気づきになるとは、ぼくちんあなたに感動しちゃった。…だが、もう遅かったようだな?私もなめられたもんだ。」