英雄集結42

 式「へぇ、竜と戦ったことあんの。そいつは驚きだ。戦国時代ってそんなのゴロゴロいたのかかごめ?」

と彼女のすぐ隣にいたかごめに、疑問を素直にぶつけたが、かごめの返答は「いや、そんなにごろごろは流石にいないと思います…」というものであった。

 式「いや、すまん。それだったら今頃学校の教科書とか載ってるだろうな。…あ、そうそう。突然だけど、あのモンスターについてどう思う。」

 かごめ「え?うーん。あの首がいっぱいついている…」

 式「あ、いや。あの半分燃えてて半分凍ってる奴。あいつが指揮してるってことは、あいつが一番強いっていうことでいいんじゃねぇか。で、かごめって観察力あるほうだと思って聞いてみようかなって思ってさ、あいつにスキがあれば、オレがあいつの首取ってハイ終わりってできるからな。」

 

かごめは、彼女の普段けだるげな態度からは想像できないような言葉を発したので、かなり驚いてしまった。そう、彼女はその実物騒な性格なのだ。普段はいかにもアンニュイということばがそのままぴったりとあてはまるのだが、その実は殺人衝動を内に秘めた危ない人間である。が、殺す相手を見つけられず、結局人は殺していない【人を殺したことのない殺人鬼】。それが彼女だ。

 

 かごめ「い、意外と物騒ですね、式さん…」

 式「驚いた?いや、なんでお前に頼んだんだろうな。…ま、かごめが嫌いじゃないからかな。で、どうだと思う?あれ、隙あると思う?」