久々の幕間 2

 ?「どうやらこの部屋で間違いないようだが、いいのかモードレッド」

 ?「ここでいいみたいだぜ。…でもよ、本当にあの二人がサーヴァントと互角の能力があるって思うか?ま、それが気になってここまで来たんだ。あと何人か遅れてくるらしいけど、さきに俺達だけでお邪魔しようぜ。ほら、さっきの長話が終わる前に、自分たちに会いたいなら会いに来てもいいって言ってたらしいしいいんじゃねぇか?」

 

 山本たちが借りているカルデアの一室の入口の外で、14・5歳ぐらいの、やや口調の荒い少女剣士と、誠実な雰囲気を漂わせる騎士が小声で話していた。この二人も、人理を観測しているカルデア駐在のサーヴァント。かのアーサー王伝説に登場する円卓の騎士。モードレッドとランスロットの二人である。

 

 二人について簡単に説明する。モードレッドは、アーサー王伝説に登場する人物。通称反逆の騎士。伝説では男性だが、この世界では女性のようだ。アーサー王伝説にこのような話がある。5月1日に誕生した者が、このブリテンを滅ぼす。この話を聞いたアーサー王は、この日に誕生した者を尽くブリテンから追放したが、彼女だけがアーサーの姉であるモルガンに引き取られた。モルガンは、アーサーから王位を失墜させるために彼女を育てることにしたのだ。

 

が、はじめはモードレッドは純粋にアーサーにあこがれてしまい、円卓の騎士になるまでになってしまうが、ある時、アーサーとモードレッドの間にいざこざがあり、それがきっかけで結局予言通りアーサーを打ち取るということになる。ちなみに、悲しいことに、彼女がアーサーと同士討ちになってしまったため、モルガンの野望は消えてしまうことになる。…とこの世界線ではそういう歴史をたどったらしい。ちなみにモードレッドの性格自体は、アーサーのことを馬鹿にしたり、変に女性扱いしなければ、まるで子犬のようになつく。そんな人物だ。