逃亡劇、そして復活 23
サイクロプスは、その巨体に似合わぬ俊敏な動きで忠勝に接近する。そして、プリンは忠勝目掛け炎を繰り出す魔術を使用する。こうすることで、隙の無い攻撃を仕掛ける…はずだった。
勝負は一瞬で決まった。サイクロプスは、フェイントで相手の隙を作り、そこを魔法でたたく予定だった。
サイクロプス【ふ、こうすれば脇にわずかな隙ができるはず。…ん?】
が、しかし。忠勝は全く相手に動じることはない。なぜだかわからないが、直立したまま一切動こうとしない。
プリン【ん?変だな?サイクロプスの得意のフェイントが一切通じていないようn】
と考えていた時には既に決着がついていた。
二人「ぐへぇ」
恐ろしきかな。忠勝は、ただ一心に相手の意気に飲み込まれないように精神統一をしたのち、伝家の名槍【蜻蛉切】で相手を吹き飛ばし、またその時同時に発生した衝撃波で炎ごと吹き飛ばしたのだ。プリンは、この魔法と吹っ飛んでくるサイクロプスに襲われるという二重苦により、あっさり敗北を喫した。サイクロプスも、忠勝の痛恨の一撃により、戦闘不能になった。
忠勝「敵将、我が念珠に留めん。」
と、戦闘不能になったモンスターをしり目に、いつの間にかいなくなてしまったニケを探しに行こうとしていた。