逃亡劇、そして復活 24

 忠勝「そういえば、先ほどまでいたニケ殿はいずこに…うぅむ、思ったよりこの森は広い。それ故うかつな動きをすれば拙者も道に迷いかね…ん?」

 

と、ニケを探そうとしたところ、どうやらその当事者が戻ってきたようだ。彼の顔は、何かに解放されたように晴れ晴れとしていた。忠勝は、何か察したかのように。

 忠勝「要は済んだか?」

と優しい口調でニケに言うと、

 ニケ「済んだ。」

とニケは短い返答をした。

 

 ニケ「いやいや、助かったぜ。せっかく用を足そうとしたら急にモンスターに襲われてどうなるかと…」

 忠勝「全く。ここは戦場故、油断と準備の怠りは致命傷とならんということをしっかりと心に刻んでおくべきでござる。」

 ニケ「…すみません。まったくその通りです。申し訳ありませんでした。【いや、忠勝さんって噂に聞いてた通りの武勇の人だなぁ。それに、しっかりしてそうな人だし、そんな人に叱られたら、素直に話を聞かないとなぁ。】」

 

と反省する勇者であった。そうこうしているうちに、だれか彼らの近くに人の気配がし始める。どうやら、彼らと落ち合う元就たちがやってきたようだ。

  

 元就「ふむふむ。人の反応が増えたと思ったら、どうやらもう一人強力な助っ人がいたようだね。」

 ハヤテ「そうみたいですね。…正直、僕は戦闘が苦手なので、仲間が増えることは嬉しいです。」

 王ドラ「そうですねぇ…我々はもう疲労困憊ですし、戦闘要員が増えることは喜ばしいことです。」