決闘 足利義輝 2

 

 最終ラウンド開幕である。義輝は巨大な笏と呼べるかもはやよくわからない、寧ろ十徳ナイフから様々な武器を取り出しながら戦う。まず、初めは剣の腕を確かめるために刀を取り出す。

 義輝「さて、初めはどの刀でいこうか?そうだな、まずは三日月宗近でいこう。」

三日月宗近は、平安時代の刀工【三条宗近】が作ったとされる刀。反りが大きくなりはじめた頃の作品で、特に、この三日月宗近は刀身の鍔元の幅が広く、切先の幅が狭く、その差が大きいことで、芸術品としても価値のある刀として有名である。現在は、東京国立博物館で見ることができる国宝である。

 

 山本「いや、いきなり国宝級の刀出してくるあたり流石としか言いようがいですよ将軍!!」

 義輝「ははは、それはそうなのだ朋よ。こちらは本気故な!」

義輝は、そういいながら素早い踏み込みで一気に接近する。その速さ、もはや目に映ることも敵わない速度である。

 山本【いや、なんだこれ。今接近するだけで数撃打ち込んできた?!】

これが、もしもの可能性。別世界における足利義輝の強さである。いったん距離を取るのだが、それを見越して今度は強弓【弓張月】を取り出す。

 弓張月は、源氏の武将源為朝が使用していたとされる強弓である。本来、彼の手に渡ったという話はないのだが、何故か彼が所有しているようである。流石の弓張月、使い手のせいでさらに凶悪な性能と化しており、百メートル近く離れていようが正確に山本目掛け飛んでいくのだ。

 山本「化け物かあの将軍。伝説の武器をいくつも所有しているだけでなく、恐らく、本来持ち主ないし、本来想定してある武器の能力を引き上げて使っているのか!?」