再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 15

ここで、五分だけ時間を巻き戻そう。時は、2017年12月の中旬。とある並行世界の地球。場所は人理保証機関【ノウム・カルデア】第一部序章で、山本が並行世界の20世紀初頭で別任務に就いている間、敵の本当の作戦がここで開始されていたのであった。

 

その男は、突如現れた。何もない空間から突然である。何もないところから響く一筋の薙ぎによる金属の鳴動と共に。

 セフィロス「…どうやら、作戦はうまくいったようだな。気づかぬ間に、あの細胞の影響を受けているとも知らずにな。…さて、会いに行くとしようか。この世界で抵抗を続けている愚かな者達の代表に。」

 

そうして、漆黒は歩み始める。目的は、もぬけの殻となったこの施設の一室へ。あいにく、その部屋にダイレクトに侵入しようとしたが、この星の運命力の操作の賜物か、少しずれてセフィロスは空間を割いてしまったようだ。

 セフィロス「まぁ構うまい。むしろ、少し抵抗してくれるだろうと思ったのだが、徒労か。」

そう口走りながら浮かべる漆黒の笑みが表すものは何か?皮肉か、嘲笑か、哀別か。それは、本人しかわからない。そうしたまま、彼はまっすぐ目標へと…。

 ?「おいおい、どういうつもりだお客さん?どこから来られたか分かんねぇけど、物騒だな?」

 ??「むむ、確かに怪しげですねモードレット。明らかに不審者としか言いようがありませんけど?」

 ???「いや、ガレス。彼は不審者の体現でしょう。ここはわれらアーサー王の円卓の騎士がマスターをお守りするとき。」

 ????「ああ、その通りだパーシヴァル。このランスロットももあなた方と同じことを考えている。そこの騎士!止まるがいい!!さもなくば、あなたを我々が成敗することになるがよろしいか?」