片翼の天使 27

そうだ、もどろう、何もなくなってしまったのだから。あの場所で永遠に… 

 巴「そんなこと、マスターが言うはずが無い!遊んでいていいはずが無い!!もし、マスターならこんな幻を見せられたとしても!惑わされるはずがない。」

 

そうだ、確かにあの時私は逃げなくてはならなかった。私の最愛の人はそういったのだ。悔しかった。つらかった。今でもあの時の夢を見ると、腹の中が熱くなる。頭が割れそうになる。先になんか進めない。でも、それじゃいけない。その時のくやしさがあるから、私は英霊としていられるのだ。マスターにあの時のつらさを経験させたくない。今度こそ、大切なものを守りたい。…それが彼女の英霊としての在り方だ。

 

 セフィロス「ほう…あの幻から抜け出すとは。この星の英霊たちの魂は強固だな。」

そう、彼女は、いや、数多の英霊がセフィロスによって幻をみせられていた。

 ネモ「そうさ。僕たちをなめてもらっては困る。」

海底二万マイルの船長はそう雄たけびを上げる。

 シグルド「作用。われら、一騎当千の英霊なれば。」

 カイニス「テメェなんかに負けるかよ!な、モードレッド」

 モードレッド「あぁ、カイニスの言う通り、だよなみんな!」

北欧の英雄が、ギリシャの傑物が、反逆の騎士が声を上げる。それに応じ、世界の英雄が一人の強大な敵に立つ向かう。…攫われた人類最後のマスター。藤丸立香を救うために。