再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 14

自画自賛する人ならざる怪物。嗤う哂う、己より劣る下等生物に笑う。が、カルデアもこの緊急事態にすぐさま対応を始めたようだ。

 シオン「そんなことってあるんですかとしか?トリスメギトスでも観測できないというのは…いや、一つだけ可能性が無いことはないのですが、【そんなあらゆる並行世界全体がヤバい】みたいなことということしか言えないですね。」

 

さらっと凄まじいことを言ってのけるシオン。一体どういうことなのか、説明を求めるサーヴァント達。が、謎の男がここ【中央管制室】に来る時間も差し迫っていた。

 オジマンディアス「全く不敬であることよ。兎も角、あ奴を止めねば我らがマスターが危うい。このカルデアの存亡の危機だ。」

 アルテミス「そうよ!そこの王様の言う通り。なんだけど、あれ何?なんかイヤーな感じが漂うのよねぇ。ダーリンも感じない?」

 オリオン「ああ、みんなも感じてんじゃねぇか?あいつ、もしかして、もしかすると…いや、まて?なんで俺たちマスターを一人にさせてんだ?」

 

エジプトのファラオとギリシャ神話の女神。そして、その恋人。いや、それ以外のサーヴァントもうすうす感じていた。あの男、恐らく、【人類悪】と呼ばれる地球規模の厄際に匹敵するほどの力を持っていることに。しかし、何故だろうか?ほとんどのサーヴァント達がマスターとマシュを残してこの場所にいるのか?

 

ただ、少なくともカルデアは黙っていない。ダヴィンチは、黒ずくめの男の行く先を秘密裏に予測し、一部のサーヴァントに連絡、先遣隊として派遣する。すぐに黒ずくめの男に遭遇した彼ら。その周りの空気は、すでに張り詰めようとしていた。