再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 24

原典において、この槍は「常に血の滴る槍」とされ、「決して癒えない傷」を与える一方で「滴る血があらゆる傷を癒す」奇跡を内包しているとされる。
また、この槍は私情で振るうことを固く禁じられており、この誓約が破られれば「嘆きの一撃」と呼ばれる「反動」を受けて天罰が下ることになる。
ベイリン卿がペラム王に対して振るった際は、決戦の場となったペラム王の城の壁が崩れるほどの威力を発揮すると同時に、ベイリン卿がペラム王に対して私怨を抱いて槍を振るったため、「反動」によって隣国を含めた三つの国に反動が及び、そのすべてが滅びてしまった。

のちにペラム王は槍によって「癒えない傷」を負って漁夫まで身を落とし、聖杯を得たギャラハッド一行を捕らえて牢へ幽閉する。
しかし一年の後に改心の末、ギャラハッドに槍の力で傷を癒されている。

 

次に紹介するのはガレス。アーサー王の円卓の騎士。円卓第七席。ガウェイン、ガヘリス、アグラヴェインを兄弟とする若き騎士。ロット王と妖妃モルガンの間に生まれた子の一人。叛逆の騎士モードレッドは異父弟にあたる。別名ガエリエ。もしくはボーメイン(美しい手)。

ガレスは最も新しく円卓に加わった者であり、経験浅き騎士である。
先輩である円卓の騎士たち全員を尊敬していた。特に、ランスロット卿によく懐き、よく彼に従った。
見習い騎士として数々の修行を経て、正式に円卓の騎士の一員となった後にも、ガヘリスのように長兄ガウェインとは行動せず、ランスロットの従者のような立ち位置を選んだ。

可能性に満ちた存在としてガレスは多くの者に愛され、兄弟ののみならず他の円卓の騎士たちからも
「いつの日かもっとも優れた騎士となる」
「いずれ、兄弟全員に匹敵する真の騎士となる」
と評価されていた。


その死は諸説あるが、一般に知られているものは悲惨な逸話となっている。
ギネヴィアとの不貞が明らかになりランスロットがアグラヴェインを返り討ちにして逃亡した後、モードレッドが発案してアーサーが承諾したギネヴィアの処刑を執行するにあたって、ガレスとガヘリスは王妃の死を悼む気持ちから非武装の喪服姿で参加する。
しかし王妃救出のためランスロットが乱入、戦闘になる。その混乱の最中見慣れぬ喪服姿であったためランスロットに護衛と誤認され頭蓋骨を叩き割られるという無残極まりない最期を迎えた。この時に同じくガヘリスも殺されており、非武装だった者含む弟達を殺したランスロットへ、ガウェインは死の間際まで憎悪を抱くことになる。

円卓第7席の騎士とされるが、本人曰く初代第7席ではなくかなり後の時代になって第7席の座に着いた騎士だとされている。