片翼の天使34

セフィロス「残念だがお嬢さん、私は妖精でもないし、機械でもない、まぁこのカルデアというところには様々なものがいるというではないか?作家、科学者、鬼、侍、騎士、妖精、そして神話の者や神、世界中の王ときりがないらしいではないか。」

 お嬢さんと言われたからか、あと、かれの横顔があまりにも神秘的な美形だったからか、ガレスは一瞬少々顔を赤らめてしまった。【今作では、彼女はガウェイン卿の妹という設定】

 

 ガレス「あ、はいっ、…じゃありません。そうではなくて。そしたら、あなたはいったい何者だというのですか?」

鋭い突っ込みを入れる。が、それに対しても彼は余裕の表情だ。そうして、彼はこう名乗る。

 セフィロス「私は、外界から来たりし者。わが名は生命の樹からとられし超常の者。星の破壊者を母に持ち、終末をもたらすもの。そう、私の名は…」

 

彼は、一通り名乗りを終わらせたのち、6人を戦闘不能にした後、彼はある場所へとむかっていったようだ。

 

時間を戻そう。山本たちは目の前の超常に苦戦を強いられていた。セフィロスについていけたのは山本ぐらいで、あとのメンバーは防戦一方というところか。と、いうより、周りは山本が攻撃をできるようにサポートに回っているといった感じが近かった。

片翼の天使33

セフィロス【ほう、又増えたか。無駄なあがきだというのに。】

セフィロスが相手をしているというのが、ランスロット、パーシヴァル、モードレッド、そしてガレスだ。その4人を相手してまだ涼しげな顔をしている

漆黒の天使に駆け付けた二人は唖然とする。

 シグルド【そんな馬鹿な。これはいったいどういうことだ!?】

 それもそうだろう。恐らく、アーサー王の配下である円卓の騎士はカルデアにとっても最高戦力の一つだろう。が、そんな彼らを相手しても互角以上の戦いをしてるのだ。

 

 ランスロット「どういうことだ。あの男、どうなっている?」

 モードレッド「わかんねぇよ。とにかくこの野郎人間じゃねぇことは間違いねぇ!剣を振り回しながら無詠唱で魔術使ってくるとかもうどうなってんだか?その辺のセイバーよりセイバーしてるし、キャスターより魔術も一級品だ。」

 

それがわかるシーンがあった。セフィロスが刀で四人を薙ぎ払い、吹き飛ばしたのちに瞬時にあたり一面を雷撃が覆いつくしたのだ。円卓の四人はそれをもろに直撃、しばらく動けない様子だった。

 

 ガレス「がっ…。そんな馬鹿な。いいえ、こんなことがあるはずがありません。相手は背中から羽が生えているとはいえあくまで人間のはずです。…もしかしたら妖精騎士の皆さんみたいに人型の妖精だったりボイジャー君みたいに元々機械だったりするのかもしれませんが…」

 

というガレスに対し、セフィロスは余裕、泰然とした構えでこう返す。

片翼の天使32

時空省の仲間たちだけ?いやそれはいったいどういうことなのだろうか?サーヴァントたちの中には知恵者や武勇に優れたものが多くいるはずだというのに、寧ろ、自分たちだけが何故か先にこの場所まで来られた。何故だ?が、その疑問はまずは後回し。今大事なことは、正面の敵【セフィロス】を打倒しなくてはならない。

 山本「というわけでだセフィロス。…いったい何しにこのアインツベルンの森までやってきたのかは知らんが…今日こそ、あの時の復讐を遂げてやる。」

 セフィロス「ふっ、そうか。それは残念な話だ。」

セフィロスは、山本たちを見渡した後、愛刀正宗を構える。そうしながら、このカルデアに来るまでの顛末を思い出していた。

 

それは、まさに地獄の光景だった。はじめは、混乱からだ。セフィロスの目的は【カルデアのマスターに出会う】こと。

 

異変に気付いたレオナルド・ダヴィンチは直ちに謎の存在を探知、サーヴァントたちに迎撃させた。

 デオン「このあたりだ!問題の謎の男はこのあたりにいる筈だ!」

 シグルド「確かに、当方もこのあたりに気配を感じた。…間違いない、あの者が、ダヴィンチが言っていた【片翼の天使】で相違ないはずだ。」

 

片翼の天使。何故ダヴィンチがそう呼ぶのかは一目見て即理解できた。二人が見たのは、カルデアにいるかのアーサー王の円卓の騎士の半数が束にかかっても簡単にあしらう、黒い羽根を生やしたあたかも堕天使のような男だった。

第二章 キャラ解説

さて、ここで山本と同乗したまだ説明してないいかれたメンバーを紹介しよう。よくわからないキャラもいるのでここで解説だ。

まずは、毛利親子だけど親と、名字が違う【小早川隆景】。どことなく父親の元就を幼くしたような顔をした実の息子だ。彼も父親同様【無双世界】という三國と戦国時代が魔王によって合体させられた世界からきた人物である。現在は紆余曲折あって時空省歴史資料室副室長をやっている。

 

次は【綾崎ハヤテ】という一見ただの美少年だが自転車で速度違反を出せる超人だ。21世紀における財閥の一つ【三千院家】に勤めている執事で頭の良さもどう考えても中学生じゃない男だ。なめてると痛い目会うぜ。ひょんなことでこちらの時代に飛ばされ3か月、山本と元の時代に帰れるまで、さまざまな事件を解決するための秘策を編み出したすげぇやつ。

 

その次は【冴羽】!こちらはバブル時代に活躍した伝説のスナイパー。こっちの時代に来たのは上の方とほぼ同じ。こっちでも美女の依頼を受けて活躍中。

 

最後に、曹操軍筆頭軍師【郭嘉】この物語では、小早川さんと同じ世界出身だ。多分、諸葛亮よりすごいかもしれないといわれている。頭が良すぎてもはや未来視としか思えない軍略で曹操を多くの勝利に導いた。史実だと早世したのが残念。赤壁の戦い曹操が負けたのは、彼がなくなったからとも。

 

さて、このメンバーはこの後どんな目に合うのか?答えは、黒幕のみ知るといったところとなる。

片翼の天使31

 ガッツ「さて、俺が生身の人間第二号か。辻谷の旦那に付いていって正解だったってことだな。…と、敵はもういないようだ。」

ということで、生身の人間で先に出られたのはガッツである。

 王ドラ「我々も無事ですよ。…なぜか途中から意味不明な問題出されましたけど、元就公が大体何とかしてくれました。」

 元就「確かに、難しい問題だったけど、私が知っている範囲でよかったよ。いやーおかげでカルデアにとどまっていた山本誠一率いるみんなはこれで全員そろったということだね。」

 幸村「そういうことになりそうですね。途中、元就殿と辻谷殿に加わったことで楽になりました。」

 プッチ神父「そういうことです。いやいや、おふた方、相当な頭脳をお持ちですね。かの大統領も喜んでいましたよ。わが国民にならないかとね。」

 

というわけで、このほかにも、カルデアにいた妖怪達も含め、カルデアに滞在していた者はこれで全員である。半分ほどは時空省にいたため、【例えばハヤテはもとの時代に返すため、時空省にいた】これ以外は被害はなくて済んだ。

 

 山本「どうやら、時空省組が一番乗りということでいいのか。みんな無事でよかったよ。」

4章 エピローグ 追 

さて、未来で謎の老人がほくそ笑んでいるところ、ここで追のエピローグである。そもそも、何故檜佐木修兵がこのような策に引っかかったのかいわれてみるとかなりの謎である。…これは、彼が下界、要は我々の住んでいる世界で己の身分を隠して買い物をしている時のこと。

 

 檜佐木「さて、こんなもんでいいかね。この辺の地方だとこの冬木が一番大きい都市だからな。冬木って都市は結構外国から来た人が多いから、他の都市とははちょっと違った雰囲気だな。」

 

などなど言いながら、ソウルソサエイエティへと帰ろうとしていた時の話。ふと首筋に痛みが走った。

 檜佐木「いてっ、なんだ?イラガにでも刺されたか?…っていってもこんな町の中に毛虫なんざぁいねぇか。さて、気にせず戻るか…」

 

と人目に隠れて姿を消してそのまま帰っていった。

 ?「さてさて、これでいいのかしら陳宮殿?たまたまこの冬木に来てた彼を私がコントロールすればいいというわけね?ふふ。」

 

さてさてどうしたことか、彼を操っていた謎の物体は、洪水と共にどこかへ流されていき、無事本体の■■■の所へと帰っていきましたとさ。…要するに、彼も立派な被害者だったということでした。

片翼の天使 30

 モリアーティ【しまった。なんでこんな時に腰が動かなくなるのかね、サーヴァントなのに!】

ほかの二人はとっさにモリアーティを助けることができなかった。先ほどの攻撃が予想以上に苛烈で、武器で受け止めたものの衝撃で体が動かなかったのだ。

 山本【しまった。あの攻撃をまともに食らえば!】

残念なことに間に合わない。…少なくとも、この二人には救うことができなかった。しかしだ、もし別の者が現れれば話は別である。ここに、別の者がたどり着けばそれは可能になるからだ。

 ?「遅くなりもしたなぁ、もっさん。そして、犯罪界のナポレオン殿、鬼の血を引くお嬢さん。」

 

若いながらも渋い声で特徴ある男、辻谷広行が無事にこの場に到達したのだ。そのまま彼はモリアーティを部屋の隅へと抱えて移動し、そのままモリアーティの前を守るように立つ

 モリアーティ「いや、見知らぬ青年。ありがとう、おかげで助かった。君、名前は?」

 辻谷「はい、おいは辻谷広行と申します。以後、よろしくお願いいたしもす。っと、こうしている間にほかのもんも到達しているようです。」

 

どうやら、他のカルデアのサーヴァントや、山本たちの仲間たちもこちらに続々到達してきたようだ。まず、現れたのは、サーヴァントではない生身の人間である。