異世界侵攻録 逃亡と進行 8

一方で、無事に逃亡に成功した元就たちは、日本時空省【時空転移室】のすぐ横にある休憩室で一息ついていた。名前は休憩室とついているものの、その中はなかなか立派なもので、様々な設備がついている。自販機は、飲み物類から食べ物類まで数種類は存在し、仮眠用の酸素カプセルや、ベッド。そして、カプセルホテルのようなものまでついている。というより、本当に泊まることも出来る。もはや、簡易宿泊所といえるのではないか?その中で、各々気持ちを整理しているところだ。

今のところ、この休憩室内は貸し切りとなっており、中にいるのはいるのは元就たちだけである。その中で、年長者であろう元就と司馬懿、そして何故かその中に混ざる葉の三人というグループは皆の様子について語りあっていた。

 司馬懿「まだ気持ちの整理ができていないものも何人かいるようだな。」

 元就「そうだね…。特に、アレン君たちは結構衝撃をうけているようだ。」

 葉「それはそうだよ。今までの心のよりどころが突然なくなたらおいらだってつらいよ。」

 司馬懿「だろうな。心中察するに値する。【いや、どうだろうか。春華のことをつい考えてしまうと胃痛が。】それにしてもだ。今回の事件は恐らく時空省内でもA級クラスの事件だ。すぐさまテレビニュースにもなるだろう。何せ、これほど大きな事件は実に10年ぶりだ。我本国でもすぐに話題に上るだろう。まあ、電子新聞とやらにはすでに載っているようだがな。」 

 司馬懿は、手に持っている端末で今日のニュースを確認したところ、各新聞社とも今回の事件について情報合戦の様相を呈していた。しかも、日本のみではなく、世界中のマスメディアが今回の事件を取り上げ始めたということもことも、事の重大さを示していた。

 元就「どうやら、そうらしいね。しかも、又誰か異世界パラレルワールド】から客人が迷い込んできたことも今回の事件と何か関係があるらしいし。」

 司馬懿「何!まただと!」

司馬仲達の声が、部屋中に響きわたる。どうやら驚嘆の色を隠せないようで、思わず声にまで出てしまったようだ。。